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zoom RSS Queen (戦慄の王女)

  作成日時 : 2008/02/01 21:52   >>

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1973年7月13日(金)。
そう"Friday the 13th"。
UKで一枚のアルバムがリリースされ物議を醸すことになる。
(日本での発売は遅れること8カ月、1974年3月25日)
赤紫っぽいジャケットに、マイクスタンドを掲げたボーカリストらしき姿とバンドロゴ。
その元となったこちらの写真(3段目左)は1972年12月20日Marqueeでのギグの際に撮られたものである。


主要メンバーティム・スタッフェルの脱退でメンバー探しを余儀なくされたSmileのブライアン・メイとロジャー・テイラー。
なかなか思うようにバンド活動が進まずWreckageを脱退したフレディ・マーキュリー。
たび重なるオーディションの末、4人目のベーシストとしてバンドの4人目のメンバーとなったジョン・ディーコン。
このラインナップが揃ったのが、1971年の2月のことだと言われている。

このメンバーでリハーサルとギグ(このメンバーで最初にステージで演奏された曲は"Stone Cold Crazy"という証言もある)を重ねてゆく。
そしてまた、コネのあった"De Lane Lea"スタジオの空き時間に、レコードプロダクションに売り込むべくデモテープの製作にも取りかかる。

それがマニアの間では有名な"De Lane Lea"バージョンと呼ばれるデモバージョン。
黎明期のバンドを知る上での非常に貴重な手がかりである。
"Keep Yourself Alive""Great King Rat""Liar""The Night Comes Down""Jesus"の5曲。
ということは少なくともこの5曲がギグでプレイされていたということは間違いがない。
そう、アマチュアバンドにはステージで演奏する予定のないレパートリーなど存在しないのだ。
万が一、お蔵入りがあったとしても、わざわざそんな曲をデモとしてレコーディングし、売り込みに使ったりすることはあり得ない。

最終的に収録された10曲以外にも、SMILE時代の"Polar Bear"、SMILEのティム・スタッフェルの作品である"Silver Salmon"、後にシングルのカップリング及びボーナストラックとして陽の目を見ることになる"Mad the Swine"、当初からライブのレパートリーであった"Stone Cold Crazy"や"Hangman"や"See What Fool I've Been"、次作「Queen II」に収録されることになる"Ogre Battle"や"White Queen"などが候補として上がっていたとのこと。
さらにそういった数々のオリジナル作品のほかに、"Jailhouse Rock"のようなカバー曲の収録も検討されたという。

筆者がこのレコードを買ったのは中学2年の頃。(1977年)
世はまさに”ロックスターQueen”と”アイドルBay City Rollers”が旋風を巻き起こしていた頃。
学校でも、2大勢力に別れて(主に「男子」vs「女子」)連日舌戦をくりひろげていた。
自分名義の預金通帳と印鑑を持ち出し、親にナイショでお金をおろしてまで買った一枚。
そんなにしてまで聴きたかった一枚なのに、リアルタイムで「A Day at the Races」、そこから遡って「A Night at the Opera」を既に聴き込んでいた自分にとっては、少々期待はずれ。
1stゆえの粗削りさ。
ブライアンンの音色もまだSMILE時代の延長線上にあり、次作以降とは大きく異なる。
全体的にミドルレンジが強調されている上に、スペイシーさを醸し出すためか、時々遠くでアンビエントに響く。
エッジのジャリジャリ感も耳触り。
ドラムもやたらボトムが出すぎて重すぎる。
ベースに至っては、サスティンがない上にアタックも完全に埋もれてしまっている。
もちろん、当時の自分にはこんな風に具体的に言葉で表現できたはずもないが、違和感のあるレコードだった。
その上、「裏のジャケット見てみ。こいつらホモやねん。」という言葉にも、中2坊主はいたくショックを受けたのだった。

その後、「Queen II」、「Sheer Heart Attack」とミッシングリンクが繋がってゆくにつれ、このレコードの位置づけは変わってゆくことになるのだが、それはもう少し大人になってからのことであった。

1973年と言えば・・・。
筆者は9歳。
テレビを見ながら、フィンガー5、天地真理、西城秀樹、沢田研二といったスターに夢中だった頃。
「ドラえもん」がアニメ化されたが、吹き替えはおじさんの声だった。
関西では誰もが、タイガースがジャイアンツのV9を止めるものだと思い込んでいたが、それに裏切られたファンたちが暴動を起こした。
また、映画「日本沈没」の影響もあったのか、「ノストラダムスの大予言」の大ヒットで、日本中が終末思想に取りつかれていた。

そんな1973年。

・・・5月に「Red Rose Speedway」、12月に「Band on the Run」と精力的に活動するポール・マッカートニー率いるWings。
「Abbey Road」でのメドレー方式の組曲スタイルはさらに進化してゆく。
特に後者のタイトルチューン"Band on the Run"は秀逸。
アルバム、シングル共にチャート1位へ。

・・・前年12月に「Made in Japan」を発表し、世界を平伏させたDeep Purple。
1月に「Who Do We Think We Are(紫の肖像)」を発表。
よほど日本が好印象だったのか、いきなり"Woman from Tokyo"から幕を開ける。
しかし内容は息切れ気味。
直訳すれば「俺たちは一体何様だ?」となるタイトルが物語る通り。
そしてバンドも疲労の極みへ。
同年6月の日本公演最終日、イアン・ギランの"The End"の言葉とともに、途中参加のイアン、ロジャー・グローバー
はバンドを去ることになる。

・・・10月に「Quadrophenia(四重人格)」発表。
前々作のロックオペラ「Tommy」、元は映画用に作られた前作「Who's Next」、そしてコンセプトアルバムの今作と芸術性を追求し続けるThe Who。
この作品も、1979年に同じタイトル(邦題「さらば青春の光」)でThe Policeのスティングをフィーチャーし映画化。

・・・同じく10月に2枚組大作「Goodbye Yellow Brick Road」を発表したエルトン・ジョン。
ポップシンガーのアルバムとは思えないオープニング。
タイトルチューンのみならず、ノーマ・ジーン(マリリン・モンロー)を歌った"Candle in the Wind"(後にダイアナ妃追悼曲としてもリリース)、Queenのアンコールでもお馴染みの"Saturday Night's Alright for Fighting(土曜の夜は僕の生きがい)"といった名作を収録している。

・・・一度は自身の事故で立ち消えになったスーパーグループの野望。
4年越しの夢を結実させ、Beck, Bogert & Appiceをスタートさせたジェフ・ベック。
2月にバンド名を冠したファーストアルバムをリリース。
その後の日本ツアーでの破壊力満点のパフォーマンスを記録した「Beck, Bogert & Appice Live」を日本でのみリリースしたが、それが彼らの最後のアルバムとなった。
(その後も海外でのリリースはなし)

・・・7月に「Live」をリリースし、演奏能力の高さを世界中に知らしめたGenesis。
10月には「Selling England by the Pound」を発表。
スティーブ・ハケットのタッピングを大胆にフィーチャーした"Dancin' with the Moonlit Knight"を始め、ピーター・ガブリエルの代表作と言っても過言ではない"I Know What I Like"、初期Genesisの代名詞とも言える壮大な"Firth of Fifth"といった名演が目白押し。
しかし何かが確実に狂い始めていた。

・・・5月にはLP3枚組ライブ「Yessongs」を発表。
12月にはLP2枚組に4曲という"行くところまで行った"感漂う「Tales from Topographic Oceans(海洋地形学の物語)」をリリース。
単に物量的な問題だけではなく、方法論においても"行くところまで行った"感についてゆけなくなったリック・ウエイクマンはこの後一旦バンドを去ることになる。

・・・奇しくも「Queen」と同じ7月。
鬼才ゴドレー&クレーム+職人エリック・スチュアート&グレアム・グールドマンによる10ccもまたセルフタイトルのデビューアルバムを世に問う。
"Rubber Bullets"で早々にUKチャート1位と好調な滑り出し。

・・・一方アメリカでは、ソロデビュー作「Cold Spring Harbor」の惨敗とレコード会社に対する不信感から心を病んでいたビリー・ジョエル。
11月に再デビュー作とも言える「Piano Man」を発表。
世間からもちゃんと認識され、少しずつ自信を回復してゆくのであった。


それでは、次回、A面1曲目"Keep Yourself Alive"。

[2010年3月17日加筆訂正]

Silver Salmon / Queen
作者はSMILEのティム・スタッフェル。
この音源がいつ頃の録音であるのかは諸説が飛び交っている。



Polar Bear / Queen
ブライアン作の本作は、"Doing Alright"同様SMILEのレパートリー。
残念ながらQueenバージョンはボツ。



Jailhouse Rock / Queen
1974年"Rainbow Theatre"。
The Whoを彷彿とさせる破壊パフォーマンス。



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タイトル (本文) ブログ名/日時
Doing All Right
タイトルを直訳すれば「うまくゆくはず」。 フルの密度でストレートにグイグイ押しまくる前曲に対し、各パーツはシンプルで繊細ではあるが複雑でドラマチックさに重点を置く曲構成。 特に、フレディ。 力技でねじ伏せようとする前曲に対し、ファルセットを多用し、まるで水彩で描かれた童話の挿絵のようなイメージ。 この2曲で、このボーカリストの恐ろしいまでのポテンシャルをまざまざと見せつけるのだ。 ...続きを見る
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2010/08/08 19:44

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
私はほぼリアルタイムで購入したおぼえがあります。その後2nd、3rdと発売日前後に買った記憶があります。とにかく衝撃的でした!
joji
2008/02/02 11:17
随分御無沙汰しております。
コメントありがとうございます。
またぜひご一緒したいですね。
lifeisreal
2008/02/02 17:50

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