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zoom RSS The Fairy Feller's Master-Stroke (フェアリー・フェラーの神技)

<<   作成日時 : 2008/02/28 00:29   >>

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なかなな日本語にしづらいタイトル。
あえて訳すなら、「ある妖精のつわものの渾身の一撃」。
邦題は、なかなかうまくこの曲の内容を伝えている。
ロンドンのテイトギャラリーにある同名の絵からインスピレーションを得て、フレディがこの曲を書き上げたのはあまりにも有名な話。

それにしても・・・
何もかもが予想を覆すこの曲。
これだけてんこ盛りの曲は、彼らにしても後にも先にもこの1曲。
これだけめくるめく世界をたった2分41秒に押し込めること、これを奇跡と言わずして何と言えるだろうか。

時計のクリックのような音がレフトチャンネルへ通り過ぎると、予想外のキーボード(ハモンド?)。
He's a fairy feller(妖精界のつわものの登場だあ!)
ダーン、ダダダーン、ダダダーダ
D    GGbD    GGbC  B

ライトチャンネルからはキーボード&チェンバロ、レフトからはピアノ、そしてセンターはベース。
そう、これだけいろんな音がコテコテに積み上げられた世界なれど、それを引っぱってゆくのはジョンのベースなのだ。
常に中心に位置し、突っ込み気味にぐいぐいっと。
ベースだけで弾き語りができそうなくらい。
The fairy folk have gathered round the new-moon shine
(新月輝く夜に妖精たちが集まってくる)
To see the Feller crack a nut at night's noon-time
(真夜中にヤツが胡桃を割るのを見に来たんだ)

かなり鋭角的なコード進行。
(/Am  / Am  / Am  / B   / Em A / D G / C / A B / )
ドラム(センター)&キーボード/チェンバロ(ライト)チームは表拍、ベース(センター)&ピアノ(レフト)チームは裏拍を中心に固める。
5小節目(0'26''〜)からは全体が一つのリズムに収束してゆくのだが、6小節目(0'28'')ではわざと少しだけベースがタイミングをずらすことで次の場面転換への布石を打っている。
Ploughman, "Waggoner Will", and types
(農夫のワゴナー・ウィルとその仲間)
Politician with senatorial pipe
(いかにもそれっぽいパイプを持った政治家)
he's a dilly-dally-o
(彼は全くのろまだよ)

この部分がいわゆる「サビ」?
なめらかなコード進行とキャッチーなメロディ。
ライトチャンネルからキーボード&チェンバロは消え、代わってギターが空間を埋めてゆく。(0'35〜)
幾重にも重ねられたハーモニー(主にフレディひとりでの多重録音)で情景が描写される。
コーラスとボーカルパターンの複雑さに関しては"The March of the Black Queen"にも、"Bohemian Rhapsody"にも全く引けを取らない。
特に・・・
And a satyr peers under lady's gown
(そして森の神サテュロスは女性のガウンの下をのぞいている)

という部分(0'47'')で聴くことのできる彼のファルセットの可憐なこと・・・。
フレディのファルセットの多彩さはQueenサウンドの大きな特徴のひとつである。
だから、なおさらライブで使えなかったことが残念でならない。

さらに、コーラスとギターオーケストレーションの緻密さはもちろん、0'51''の部分から展開してゆく音のバトンリレーも華麗である。
ピアノ(レフトチャンネル)"ドレミラミー"
   →キーボード(ライトチャンネル)"ドレミラミー"
        →シンバル(カンッカカンッカカンカンカンカンカ)
            →ダダダダダダン(全員)

ここまで書いてきてもまだ曲は1分を越えてない・・・

また、録音の際にテープの速度を変えることによって、本来の音(声)の質を変えたり、本来出ない音域を出すことを可能にするという手法は、The Beatlesを始め、古くから使われている手法(ちなみに同じ手法でボーカルが録音された「帰ってきたヨッパライ」は1967年に発売された)
であるが、それが随所に効果的に、そう、まさに妖精の声をイメージするかのように散りばめられている。
Tatterdemalion and a junketer
(みすぼらしいなりをしたヤツや見物人)
There's a thief and a dragonfly trumpeter - he's my hero
(こそ泥野郎にトンボのトランペッター - 彼は僕のヒーローさ)

この部分(0'56''〜)のレフトチャンネルから聞こえてくる一番低いパート(旋律の2オクターブ下)は、回転速度を上げて録った?
随分変質したフレディの声だ。

また、1'02''からライトチャンネルから聞こえる"アーアー"、直後にレフトから入ってくる"ラララー、ラララー"という部分は逆に回転速度を落として録音した声だ。
(回転速度を落として録音すると、再生時に録音時よりもスピードが上がるためにより高くて軽い音となる)

さて、いかにも閃光のような「一撃」を思わせるベルの音(1'15'')を合図にソロタイム。
再び最初の鋭角的なコード進行に戻り、常人からは思いもつかない世界が展開される。
ライトチャンネルからは回転速度を落として録音された金属的なハーモニー。
コーラスがレフトに移る(1'23'')と、ライトからはまるで痙攣のようなチェンバロ。
再度コーラスがライトに戻れば、レフトのギターvsライトのチェンバロ。
コーラスのためにチェンバロが聞こえにくくなるが、かなりの躁状態バロック。
異形のハーモニーとからまりながらライトのギターはオーケストレーションに発展してソロは幕を閉じる。

これぞ、この曲のモチーフとなった作品を描いたリチャード・ダッドの精神世界を音にしたもの?
26歳で父親を自らの手で殺害し、それ以降の人生のほとんどを病院で送った男の人生に、フレディは何を見たのか?

やじ馬の様子を描写するボーカルが登場すると、バッキングはギターオーケストレーションが中心に変わる。
And the arch-magician presides
(そして大物マジシャンが取り仕切る)
He is the leader
(彼がリーダーだ)

この部分(1'51'')では、ライトチャンネルから歪んだ低音が響いてくる。
ギターっぽい音にも聞こえるが、ギターの音域よりも低い。
鍵盤楽器?回転速度を上げて録った?
いずれにせよこの低音が強いアクセントとなっている。

レフトから響く金属音(1'59'')を合図に、いよいよ最終コーナーに突入する。
ここからはチェンバロが消え、バンドの基本フォーマットに戻る。
その土台になって、どんどんコーラスは厚みを増し"ヤツの一撃"への期待感を盛り上げてゆく。
The ostler stands with hands on his knees
(馬丁は手を膝において佇んでいる)
Come on Mr. Feller, crack it open if you please
(さあ、兄さん、よかったらやってくれよ!)

この言葉とともに、夜の森の喧騒は幕を閉じる。
ちょうど映画のラストシーンでカメラがズームアウトしてゆくように。

そして"Fin"。

最後に残るのはピアノだけ。
闇の中で、次の物語へと聴衆を導いてゆく蝋燭のような幽かな光。

天才のひらめきを恐ろしい労力をかけて具現化したと言っても、過言ではないだろう。
この1曲だけでもフレディは天才と呼ばれるべきだ。

リチャード・ダッドの絵をフィーチャーした動画があったので紹介しておく。
(記事下)

ピアノに導かれて、、、、
次回はブラックサイド3曲目"Nevermore"。

The Fairy Feller's Master Stroke
Richard Dadd & Queen




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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
絵画は諦めました。。。
”諦めるよりも信じることに賭けてみる”
オッチャンとしては無念なのですが・・・

BGMは ”Nevermore”に変更しました(・∀・)
オッチャン
2008/02/28 13:10
あっ、、、、ありましたぁ〜っ! (・∀・)
KENONE
2008/02/28 15:25
これだけ、楽器の定位置が解るとなると結構いいステレオお持ちかと思いますが。

私も30代のジャズ聴いていた時はステレオに凝りましたね。

今では実家に眠ってますが。(笑)
流れ星
2008/02/28 17:44
ご体調悪いですか?

ごゆっくりなさってくださいね。
流れ星
2008/02/29 20:28
流れ星さん、ご心配かけました。
ちょっとこの数日、なかなか家に帰れないような状況でした。
ちなみに、音響設備には全く無頓着です。
一応、コンポはありますが、CDラジカセで満足だったりします。
この記事は、ほとんどパソコンで再生したものをヘッドフォンで聞いて書いています。

オッチャン、絵があってよかったです。
"Fairy feller"を書き終えて若干脱力気味ですが、こちらも次に向けて"Nevermore"を聴きこんでいます。
lifeisreal
2008/02/29 22:22
元気してはりますかぁー?
お忙しいようで、無理せんで下さいね。


Nevermore 〜 LAST の曲を聴き込む余裕をいただけて嬉しいです(゜▽゜)

あなたさまのお陰で高2以来こんなに”QueenU”を毎日聴き込んだことないです。
やっぱり、オペラ座よりもオッチャンにとっては1番のアルバムちゅう再確認をさせていただきました!

後には‥、マーチが控えてますんで大変かとは思いますが。。。
ヨロシクお願いしますネ( ̄▽ ̄;)

ここだけの話ですよf^_^;
ポップなんも好きやけど(QUEENやから‥)好きなんは”U”なんよなぁ(゜▽゜)

Nevermore を流し続けるオッチャンでした。。。
オッチャン
2008/03/01 20:24
オッチャン!
こちらこそありがとうございます。
元来、怠け者の三日坊主体質なため、なかなか物事が長続きしませんが、こうやって続いているのはみなさんのおかげです。
ペースが遅くてイライラさせるとは思いますが、なにとぞ愛想尽かさずにお付き合いいただければさいわいです!
lifeisreal
2008/03/01 21:52

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