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zoom RSS Modern Times Rock'n'Roll

<<   作成日時 : 2008/02/11 22:13   >>

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前曲の余韻も消え去らぬうちに、間髪入れずにたたみこんでくる鋭いリフ。
「戦慄〜」採用された唯一のロジャー作品で」あるが、ブライアンともフレディとも全く異なるカラー。
疾走衝動ほとばしり系。
そう、ロケンロー野郎ロジャーがおおくりする「今時のロックンロール」。
ファーストアルバム唯一フレディ以外がボーカルをとる曲でもある。
かのZepの"Rock and Roll"へのオマージュだろうか。
だが、いわゆるR'n'Rの土台に乗っかりつつも、パンクのテイストも。
まだ"PUNK"という言葉が産声を上げる前の話だが。

初期の彼らにとってはライブで欠かすことのできないナンバー。
アンコールのロックンロールメドレーに交えて演奏されたりしていた。
(ボーカルはフレディ)
2014年に発売された公式盤"Live at the Rainbow 74"でのフレディボーカルバージョン(しかも3月と11月の2テイク!)や、2016年発売の"On Air"に収録された疑似ライブ2テイク(ボーカルはロジャー)と、いろいろな角度からこの曲を検証できるのは本当に喜ばしいことだ。

古式床しいハードブギ系ギターリフでスタート。
基本的にはライトチャンネルとレフトチャンネルに1本ずつギターが定位されている。
(下図参照↓)
画像
上段がライトチャンネル(メイン)、下段がレフトチャンネル(バッキング)となる。
が、それにしてもレフトのギターは、ピッキングもタイム感もかなりラフ。
イントロからAメロにかけてはあまり跳ねずにかなりスクエア。
その上、キーはマイナー(ブルーノートをベースとしたメジャー?)と思われるのだが、明らかにEメジャーコードが鳴ったりしているのだ。(赤枠部)

さらに、ロジャーのドラム。
(下図参照↓)
画像
まずはバスドラ。
ギターのリフ同様にスクエアにスタート。(赤枠部)
途中から跳ね出して事なきを得るのだが。
さらに、ハットの刻み方がユニーク。
ひょっとしてギターリフとのユニゾン?
歌が入ると4つに収まるのだが・・・・。
ま、そんな混沌をものともせず、リバーブを響かせながらハスキーボイスがぶっちぎってゆくのだ。
Em
Had to make do with a worn out rock and roll scene
(ボロボロになったロックシーンをどうにかしなけりゃ)
The old bop is getting tired need a rest
(古臭いバップは廃れもうお役御免)
Well you know what I mean
(そう、言いたいこと分かってくれるよな)


Bパターンに入るとボーカルラインも時にスポークンスタイルでかなりラフに。
    A
Fifty eight that was great
(58年は素晴らしかった)
But it's over now and that's all
(でもそれもとっくの昔で、じゃあ次は)
       B
Something harder's coming up
(なんだかハードなヤツが登場するらしい)
Gonna really knock a hole in the wall
(壁に風穴をぶち開けて)
     D
Gonna hit ya grab you hard
(君に一発食らわして鷲づかみ)
Make you feel ten feet tall
(まるで偉いヤツにでもなったような気分にしてくれる)

左右から攻め込むギターもかなりラフ。
(下図参照↓)
画像

"Em"一発で駆け抜けたAメロ後、"A→B→D"というコード展開は非常に心地よい。
が、"D"でのバッキングギター(レフトチャンネル)の5弦開放を絡めた強引なリフワーク!(赤枠部大)
また、イントロフレーズに戻るブレイク時のラストを締めるノイズは、偶然の産物とは言えこの上なくカッコいいのだ。(赤枠部小)

そして再度イントロ→Aパターン→Bパターンを繰り返しサビへ続くのだがここに大きな謎が????
Well I hope that big new baby's gonna come along soon
(ああ、あんな大物新人が早く登場すればいいなあ)
You don't know it could happen any old rainy afternoon
(君は興味ないだろうけど、そういうことは雨の午後)

With the temperature down
(冷え込んだ時に起こるもんなんだ)
And the juke box blowing no fuse
(ジュークボックスはフューズをブッ飛ばすほどのパワーもなく)
And my musical life's feeling
(俺の音楽漬けの生活は)
Like a long Sunday School cruise
(まるで日曜学校通い)
And you know there's one thing
(わかるよね、たったひとつ)
Every single body could use
(誰でも使うことができるものがあるってこと)
Yeah listen little baby
(そう、ベイベ聞いてくれ)
Let me tell you what it's all about
(なんのことだかおしえてやるよ)


Bパターンの締めくくりでカッコよくシャウトを決めて駆け上がり、サビへ!(マーカー部)
しかしこれぞまさに謎!

まずはここでもBパターンのギターアンサンブルから見てみよう。(下図参照)
画像
右チャンネルのメインギターは手癖全開!
少々リズムがルーズになろうがお構いなしに駆け抜けてゆく。
そしてブレイクで締めくくりサビへ!(赤枠部)
そう、それが謎の10拍なのだ。
(便宜上4/5×2小節で採譜)
イケイケのノリ重視で突っ走っているにもかかわらず、なぜここで敢えて聴き手を戸惑わせる10拍(通常なら8拍[4拍×2])である必要があるのか検証してみよう。
上図の最下段からサビの頭を、リズムギター、ボーカル、コーラスで採譜し直してみよう。(下図参照)
画像
問題は赤枠部であるが、ボーカルラインを見てみると敢えて10拍にする必然性は全く感じられない。
むしろ8拍+1拍のボーカルラインの頭に休符を入れて無理やり10拍にしている感さえも。
ライブではドラムのフィルに置き換えられているとは言え、8拍(2小節)でサビに突入している。
そのことから考えると実際は次の譜割りであったのではないだろうか。(下図参照)
画像
このように書き換えると、譜面上は何の違和感もなく収まるのだ。
しかしひとつだけ問題点が。
それはブレイク部のラスト"about"とサビのコーラスが被ってしまうのだ。
それを解消するためにブレイク部の後ろを1拍延ばし、それだけではアンバランスなので前にも1拍分付け足したのではないだろうか。
レコーディング自体がその長さで行われたのか、あとで編集でずらしたのかは不明である(前者の方が可能性は高い?)が、いずれにせよ元々は8拍だったと筆者は推測するのだ。

そしてその疑惑のブレイク&ロジャーのシャウトに導かれていよいよサビ。
ここにも違和感が・・・。
G              A C D C
Modern times rock and roll
(今時のロックンロール)
G              A C D C G
Modern times rock and roll
(今時のロックンロール)

フレディ感の強いハーモニーでスタートするサビ。
この混じり合っていない感じがどうにも初々しい。
印象的なサビであるのに登場するのはここの1回きり。
それもまたリスナーを裏切る心地よい仕掛けである。
ところでサビの最初に注目していただきたい。
特にドラム。
何か違和感はないだろうか。
そう最初の1小節半はシンバル類が全く入っていない。
2小節目の途中からジワジワとライドシンバルが出てくるのだ。
いや、厳密にいうと1小節目の2拍めのスネアの位置にだけはなぜかクローズのハイハットの音が入っているのだが・・・。
それがまた不思議。
叩き間違い?
もちろんそれなら録り直すはずなので、レコーディング後の処理で起こったことの可能性が高い。
それにしてもなぜ一か所だけクローズのハット?
全く謎である。

そんな謎を孕みながらもいよいよギターソロ!(下図参照)
画像
上段がライト寄りのメインギター、下段はレフトよりのカウンターライン。
"Great King Rat"のように2本で構成されているが、それほど2本の役割が緻密に計算されているわけではない。
時にはディレイトリックのようにカウンターが遅れてフレーズをなぞったり、時には全く違うフレーズであったり、そしてまた完全に同じフレーズであったり、とかなり気まぐれな様子。
アームダウン(メインギター)で気持ちよくソロが締めくくられると、一気に緊張感が高まりこの曲の最高の見せ場へ。
そう、それは上図赤枠部で天から舞い降りるようなグリッサンドで駆け下りてくるピアノだ。
Keith EmersonかNickie Hopkins?
タイトに刻むロックピアノが最終コーラスをタイトに引き締める。
そう言えばZepの"Rock'n'Roll"もソロ後にピアノが入ってきていた。
Get your high heeled guitar boots and some groovy clothes
(ギター形のハイヒールブーツを履いていかした衣装を身につけろ)
Get a hair piece on your chest
(胸に胸毛をくっつけて)
And a ring through your nose
(鼻には輪っかをぶら下げろ)
Find a nice little man who says
(「君を本物のスターにしてあげよう」と言ってくれる)
He's gonna make you a real big star
(素敵な小っちゃい男を探すんだ)
Stars in your eyes ants in your pants
(スターを夢見て目を輝かせてうずうずしている)
Think you should go far
(もっと遠くへいかなきゃと思うんだ)
Everybody in this bum sucking world's
(この最低のくだらない世界の誰でも)
Gonna know just who you are
(君が誰かってことを知ることになるんだ)

なかなか成功に到達できないフラストレーションのはけ口を、当時の最先端であったグラムロック批判へ?
対象はT・RexかはたまたAlice Cooper?
それともMotto the Hoopleか?
この頃はその後、Mottoの前座として全米ツアーに出ることになろうとは、そして"Now I'm Here"の歌詞に登場しようとはまだ知る由もない。
タイトルの"Modern Times R&R"とは新種であるグラムロックを指すのか?
それともトラディショナルなスタイルにハードロックの鎧をまとった高速ハイブリッドなこの曲を指すのか?
真意は不明であるが、Bメロが終わるとともに突然リスナーは裏切られることになる。
Look out
(気をつけろ)
Modern times rock and roll
(今時のロックンロール)
突然曲は途切れ"Look out!"の叫び声。
当時のトライデントスタジオのエンジニアでこのアルバムのコ・プロデューサーとして名前を連ねるJohn Anthonyの声。
そして、こぶしの効いたロジャーのシャウトで唐突にエンディングを迎える。
リスナーの予想を裏切ろうという試みが成功なのかどうかは意見分かれるところであろうが、オールドスタイルの中にも様々な実験的要素を盛り込むことがまさにQueenだと言えるだろう。
わずか1'48''。
されどリスナーには強烈な印象を植え付けたのであった。

さて、次回はB面4曲目、"Son and Daughter"。

[2016 12月大幅加筆訂正]











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Stone Cold Crazy
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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
You Tube拝見しました。
懐かしい姿ですね。この頃の演奏曲はほとんど同じだと思うのですが、大昔に買った海賊盤”SHEETKEECKERS”の音とよくにてました。レインボウかハマースミスオデオンのどちらかだと思うんやけど・・・。

しかし、よい時代ですね。いつでも好きな映像が見られるなんて。
KENONE
2008/02/12 09:29
この曲はよく知ってます、今回も曲聴きながら、確かにライブではフレディですね、ロジャーの声もノリノリの曲ではマッチしてると思います。
アイム・イン・ラヴ・ウィズ・マイ・カーなんかも私的には好きな曲ですね。
流れ星
2008/02/12 19:17
KENONEさん。流れ星さん。
コメントありがとうございます。
"SHEETKEECKERS"とは懐かしいではないですか。基本はレインボーシアターやったと思いますが、それを元にしていろんな音源を組み合わせたやつも出回ってるようですね。中学、高校時代にQUEENのライブ音源をきくことのできる貴重なレコードでした。

ライブにおいては、ボーカルは基本的にフレディという約束事があったんでしょうかね。フレディ以外で、ライブでリードボーカルをとったのは、おそらくメドレーで"I'm in love with my car"を歌ったロジャーだけではないでしょうか。資料的なものは持っていないので断言はできませんが・・・。

確かに便利な時代になりました。こんなに簡単に夢のような映像が見ることができるんですからね。
lifeisreal
2008/02/12 23:44

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