My Fairy Kingdom

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<<   作成日時 : 2008/03/20 00:59   >>

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日本語にしても「ブライトン・ロック」。
ブライアン作。
初期の頃からライブでよく演奏された。
しかし、ギターソロ後はメドレーで他の曲へつながることが多く、後半部分が演奏されることが非常に少なかったのは至極残念である。
ちなみに、かつて日本でも発売されていたビデオ「Rock in Rio」では、珍しくギターソロからフェードインし後半パートの歌へとつながる。
おそらく完奏されていたのだろうが、中途半端な編集が悔やまれる。

イギリスでは、一般的に棒状の飴(かたいやつ)のことを"Rock"と言い(辞書にも載っています)、それぞれご当地の名前を付けて"〜 Rock"という名前で売っているらしい。
日本盤CDのライナーノーツにも書かれているが、この曲のタイトルになっているブライトンでもやはり棒状キャンディが売っており、実際に"Brighton Rock"というそうだ。
つまり商品名。
もちろん、この"Rock"には、音楽のロックやら、歌詞の中に登場する"Rock of Ages"つまり「岩」ともかけてあったりするのだろう。

ブライトンとはイギリス南部、ドーバー海峡に面したリゾート地。
夏にはロンドンからたくさんの人が訪れビーチはまるでお祭りのようになるそうで、前作から引き続いて登場する"I do like to be beside the seaside"などがガンガン流されていたようだ。

また、イギリス人作家グレアム・グリーンが1938年に発表したサスペンス小説(後に映画化)で同名のものがあるが、もちろんその作品を知らないはずはないブライアンがそれにひっかけた可能性は高い。
内容的には、この歌詞とは全く関連はない。
ちなみに、映画でおなじみの「第三の男」(テーマ曲がビールのCMで使われている)も、このグレアムの作品である。

そのリゾート地でのちょっと危ないラブアフェアということになるのだろうか?
それにしても、いきなり一枚目、二枚目とは随分空気が違う。
何かとブライアンのギタープレイが取りざたされることが多いが、そのためにこの曲そのものがちゃんと正当に評価されていない。
だから逆に、このギターソロさえなければもっとちゃんと目を向けてもらえるのにと思ってしまう。
(決してギターソロに問題があるわけではない)
ブライアンが作るロックソングの中では、群を抜いて素晴らしい曲なのに。
そう、この曲は名曲なのだ!(あくまでも個人的意見)

それでは、この曲がなぜ名曲なのかを検証してみよう。

口笛が流れ始めた直後(0'13''〜)からワイルドなギターの音(G#sus4)が聞こえ始める。
まだ遊園地風のSEが残る0'25''頃にレフトから聞こえるのはフレディの声?

ブラッシングを繰り返した後はC#7/F#7のカッティング(0'26''〜)となる。
まさかこの時点からディレイを使っているわけではないであろうが、中間部のディレイソロをイメージさせるかのように、最初はライトのみ、次にレフトから、次にセンターとサウンドオンサウンドになっている。
そしてリズムセクションも加わって歌へとなだれ込むが、ここで一音下(B7/E7)に転調する。
それは構成上の必然なのであるが、それに関しては後述する。

「戦慄」、「II」では全く見られなかったグルービーな16ビートに、元来もっちゃりが持ち味のロジャーのドラムもガンガン詰め込んでくるし、3拍目をロジャーとジャストであわせる律儀さのために少し乗り遅れているように聴こえてしまうジョンもキュート。
(そこで突っ込んでくれるとJPジョーンズのようやのに・・・)
いずれにせよ、16ビートとしてはかなりテンポが速いのでまさにリズム隊の腕の見せ所と言えるだろう。

フレディはファルセットと地声で女子(&ト書き)と男子を演じ分ける。
このあたり、男性であろうが女性であろうが一人称の代名詞が"I"になり、単語の使い方も性差のない英語の弱点をなんとか乗り切ろうとする努力の跡がうかがえる。
日本語の場合だと、言葉使いや人称代名詞を変えることで、男子が女心を歌うことも女子が男心を歌うことも可能である。
(聴いている側も混乱することはない)

名曲の検証その1
歌メロの素晴らしさとさりげない転調
(0'33''〜)
B7      E7 B7       E7
Happy little day, Jimmy went away
(ほんの少し幸せな気分の日、ジミーは出掛けた)
B7       E7     F#7
Met his little Jenny on a public holiday
(祝日にかわいらしいジェニーと会った)
B7          E7    B7     E7
A happy pair they made, so decorously laid
(どう見ても中睦まじいカップル、ちょっと気取って歩いたんだ)
       B7      E7    F#7
'neath the gay illuminations all along the promenade
(遊歩道沿いのにぎやかなイルミネーションの下を)
     A                    E/"onEb/E C#m/"onC
"It's so good to know there's still a little magic in the air
 C#m B  E
I'll weave my spell"
(「こんなささやかなマジックが本当にあるなんて幸せ
 私が呪文を唱えるわ」)

以上が1コーラス目になるが、5行目(コードがAに変わるところ)で転調している。
そのおかげでかなり緊張感のあるメロディ展開となっているが、特にマーカー部が秀逸である。
単にメロディの問題だけでなく、高さ的にも、フレディが調子の良くないときでも無理せずに太い張りのある声のままで張り上げられる一番高いポイント。
本当は、スタジオ録音の際も彼の地声はこの高さくらいで勝負すべきなのだ。
(もちろんファルセットやシャウトは別である)
しかも、その部分のみ、ロジャーがトップシンバル(ライトから聞こえる"カンカンカンカカンカカン")でリズムを刻むのもたまらなくカッコいい!
(3コーラス目のみずっとトップシンバルでキープ)
そして、このコーラスのラストが"E"で終わるため、そのまま先頭の"B7/E7"のパターンに転調すると全く緊張感のないのっぺりした展開になってしまう。
そのため、緊張感を持続させるために一旦イントロの"C#7/F#'7"に転調し、またまた歌の部分で"B7/E7"に転調せざるをえないのだ。
(いかにのっぺりしてしまうかは、ぜひ楽器片手にトライしていただきたい)

それにしても面白いのは1コーラス目と2コーラス目でロジャーがシンバルを入れるタイミングが全く違うことだ。
意図的なのか、たまたまなのかは分からないが・・・(たぶん後者である)。
1コーラス目は最初(0'33'')と5小節目の頭(0'39'')と8小節目(!?)の頭(0'44'')の3か所。
2コーラス目は最初(0'58'')と5小節目の3拍目(1'05'')と6小節目の3拍目(1'07'')。
このとぼけ具合がたまらなくロジャーって感じがする。

名曲の検証その2
キャッチーでたまらなくQueenなサビ
(1'20''〜)
C#m B  E       A   〃on G# D B   E
O rock of ages, do not crumble, love is breathing still
(ああ、千歳の岩よ、どうか崩れないでおくれ、だって愛はまだ息絶えていない)
C#m B F#          B               A
O lady moon, shine down a little people magic if you will
(ああ、女神アルテミスよ、できるものなら人間のささやかな魔法に光を与えよ)

"千歳の岩"というのはイエス・キリストのこと?
また、"人間のささやかな魔法"="愛"のことだと思われる。
ここまでひたすら跳ねたリズムであるため、この部分のおおらかなメロディ展開のインパクトは強烈である。
しかも、2コーラス目"A"に転調した後でそのままのキーでこのパートに突入するため流れに対するストレスもない。
さらに、キーの"A"に対する長3度上の"C#m"からこのパートが始まるため切な暖かい雰囲気を醸し出している。
その上、素直な三声なハーモニーも温もりを感じさせる。
(後半はその三声の上に7度の音を加えて少しスパイシー)
しかし、問題点はライブだとここのハーモニーが乱れて全てをぶち壊してしまうことが多かったことだ。
その張本人はブライアン。
彼は一番下のパートを担当しているが、全く音がとれず、そのため真ん中のパートを歌うフレディまでヘロヘロとなっていた。
とにかくQueen時代のライブでのブライアンのコーラスは大きな弱点のひとつであった。
(ソロで来日した際の歌いっぷりが嘘のようである)

そしていよいよブライアンのソロへと突入する。
お馴染みのディレイを使ったひとり三重奏であるが、このあたりに関してはいくらでも解説している本があるので、そういった専門家の解説に委ねたいと思う。

ギターソロが終わると、あまりライブでは演奏されることのない3コーラス目に突入する。
このパートがいわゆるオチである。
奥さんに怖気づいたジミーは、ジェニーとの不倫にピリオドを打つのであった。

名曲の検証その3
歌が終わると再びド頭と同じようにブライアンがギターをかきむしる。(4'50''、ただしコードは"Bsus4")
ロジャーのドラム合図にリズムが一転、シャッフルに変わる。
/レミラ ミレシ/ラシレ シラソ/ A  G  /
開放弦をからめたZep風リフ。
これがまたカッコいい。
このリフだけで1曲書けそうなのに、それを惜しげもなくエンディングのためだけに投入。
緊張感は最高潮に達し曲はエンディングを迎える。
そう、曲中の登場人物達が、最後で最高の緊張状態を迎えたように・・・。

もし、長いギターソロがなく、歌詞の内容もそれこそグレアム・グリーンの"Brighton Rock"が描くような世界であったなら、ひょっとしたらこの曲はQueenを代表するロック・アンセムとなっていたかも知れない。
もし・・・の話をしても仕方のないことなのだが・・・。

全く話はそれるが、40代半ば以上であるなら「甲斐バンド」という言葉を聞くと、懐かしい気分になるであろう。
彼らにも"Brighton Rock"という曲があり、「まさか・・・」と思ったことがあった。
もちろん同名異曲。
甲斐バンドには映画のタイトルを使った曲("ガラスの動物園""地下室のメロディ"など)が少なくないのだが、この"Brighton Rock"も映画に由来するものであると考えられる。
それ以外にも、彼らのタイトルは欧米の映画や小説のタイトルを思わせるしゃれたものが多い。
("ポップコーンをほおばって""ダニーボーイに耳をふさいで""らせん階段""かりそめのスイング""破れたハートを売りものに"などなど)

さて、次回は問題作。
「Sheer Heart Attack」A面2曲目。
"Killer Queen"。

Brighton Rock (75年 Hammersmith / ハーモニー崩壊す!?)


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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
このアルバムを聴いて1974年が終わったのを思い出しました。
前作の余韻を残したイントロ・・、やっぱりエエなぁ〜!!!
おっしゃるようにギターソロ無しのバージョンがあってもいいのにですね。。。

”映画を観るなぁら フランス映画さぁ・・”
KENONE
2008/03/20 11:00
この曲リゾート地から来てたんですね。
甲斐バンドも同名の曲があるのですか
びっくりです、内容が濃いのでお勉強になります。
流れ星
2008/03/20 14:37
オッチャン、ありがとうございます。
やはりこの曲は、ソロのイメージが強すぎるのが悲劇とも言えます。
構想通り、甲斐バンドが登場しました。
本当にタイトルカッコいいですよね。
lifeisreal
2008/03/20 18:00
流れ星さん、ありがとうございます。
自分は80年代前半頃までの甲斐バンドしか知りませんが、高校時代の友人に熱烈なマニアがいたので、随分勉強しました。
"ダニーボーイに耳をふさいで"なんて、このタイトルだけで主人公の気持ちがわかってしまうすぐれものです。
lifeisreal
2008/03/20 18:04
今日は夕方6時に仕事終わったんで‥、お部屋でブライトン・ロックしてます(゜▽゜) 何回リピートしたんやろ(^^)
ちょっとBEERしてるし‥、サイコーやん\^o^/

やっぱりいっしょに唄わなしゃーないやん!

♪O rock of ages,do not crumble 〜 ♪
やっぱりエエなあ〜!(^^)!
KENONE
2008/03/20 19:19
オッチャン、すっかりご機嫌そうでなによりです。
この素直でキャッチーなメロディ!
一緒に歌わずにいられません。

そうそう、甲斐バンドのこと書いてたら聴きたくなってきました。
lifeisreal
2008/03/20 23:27
いや〜。またしても敬服いたしました。
この記事の中の時間はCDのものですよね。実はこれCD持ってなくって・・・残念。レコードならあるんですけど。記憶を蘇らせながらエンディングの方は読ませてもらいました。
サビの部分の展開は、確かにカッコイイですね。それを具体的に検証されるとは!!
このアルバム初めて聴いたときは、この出だしのブライトンロック!いけるな〜と思って聴きましたね。でもどうして遊園地のような音が入っているのか分からなくて・・・。今日でスッキリです。
アルバム全体としては、様々な曲のバリエーションがあり、尚かつ緊張感があるものが多く素晴らしいと思っています。谷間のゆりなども大好きでした。本当に谷間のゆり的位置付けですが・・・。この曲も楽しみにしています。
動画タイトルの「ハーモニー崩す」もうけますね!あ!それと、ソロの一部には予言者の歌のギター部分が入っていましたね。
甲斐バンドよく知ってますよ。テレフォンノイローゼの陰な感じの曲も好きでしたね〜。
ポッキー
2008/03/20 23:30
ポッキーさん、ありがとうございます。
♪"テレフォンノイローゼぇあはぁ"
♪"ずっと君の声が鳴りぃっぱなしぃ"
う〜懐かしい。

閑話休題。
これも全くの私見なのですが、どうもブライアンはリフを作るセンスがないような気がします。(DPのRB氏やLZのJP氏といったリフマスターが多いお国柄ではありますが・・・)
だからむしろこんな風にコードでイケイケの方が勢いがあってよかったりします。
リフの件に関しては、後日"Now I'm Here"の時に苦言を呈することになるとは思いますが。
YouTube動画の6'02''のあたりから'預言者'を意識したフレーズになってますね。
ちょうど「オペラ座」発売直後の映像になります。
本当におもちゃ箱をひっくり返したようなアルバムだと思います。
それが一番Queenに魅かれた点かも知れません。
lifeisreal
2008/03/21 00:23
毎日なんの用やね〜ん!でスンマソ〜ンm(__)m

今夜はアルバム全曲3回リピートしましたぁー!



”ストーン・コールド・クレイジー”もエエですね!

”気楽印”はイランけど‥( ̄▽ ̄;)



ラスト‥”Its' in the lap of the GODS”もエエですぅー!!!



あのね!
”U”が大好っき!ってばっかりのオッチャンやけど‥、ほんまはぜ〜〜んぶ好っきなん(゜▽゜)

カラオケ(スナックやでぇ〜!)で”Lair”やったったも〜ん!(^^)!

”Bohemian Rhapsody”もやったったあ〜〜〜!!!!!
KENONE
2008/03/21 20:21
オッチャン、まあそう言わずに"亀裸供淫"も楽しみましょうよ。
♪がんばぁれタブチぃ〜!
lifeisreal
2008/03/21 21:31
QUEENが13年ぶりにアルバム出すそうです。
9月1日に発売でその後に世界ツアー
メンバーはブライアン、ロジャー、ポールの三人、ご報告まで。
流れ星
2008/03/22 01:19
流れ星さん、ありがとうございます。
どうもそのようですね。
何となく内容は想像つくので、少し微妙なところもあるのですが・・・ま、嬉しいことです。
前回、名古屋ドーム見に行きましたが、また来日公演も楽しみです。
lifeisreal
2008/03/22 17:10

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