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zoom RSS ’39

<<   作成日時 : 2008/06/22 00:49   >>

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ブライアン作のカントリーソング。
本人曰く、"Sci-Fi Skiffle(SFスキッフル)"。
スキッフルとはいわゆるフォーク+カントリー+ブルース+デキシーランド÷4のようなタイプの音楽?
1950年代の欧米で非常にポピュラーだったスタイル。
ビートルズの前身が、ジョン・レノンを中心にしたクオリーメンというスキッフル・バンドだったことはご存じのとおり。

タイトルを日本語にすれば、「39年」。
それが、「1939年」なのか、「明治39年」なのか、はたまた「2639年」なのかは分からないし、分かる必要もない。
ただ確かなことは、自分のように「昭和39年」生まれにとっては、非常にシンパシーを感じる作品であることには間違いがない。
そう、東京オリンピック、名神高速道路開通、東海道新幹線開通と、日本にとっては革命的な年なのだ。
いい意味でも、悪い意味でも・・・・。
この頃から「高度経済成長」を旗印に、戦艦や零戦の代わりに「経済力」で世界を席巻した日本は、今や目的を失い座礁寸前。
おっと、話がおかしな方向へ逸れてしまったが、「昭和39年」は確かに日本のターニングポイントだったのだ。

それにしても、なぜ"39"。
この曲が、ファーストアルバムから数えてちょうど39曲目に位置することも、無関係ではないのだろう。

ブライアン自身がボーカルを務めるほんわかカントリーソング。
しかし、そこはブライアン。
イントロや間奏での執拗な転調、そしてスペイシーなギターオーケストレーション。
歌の直前にはいかにもなカントリーリフ。
当時のアコギを抱えたギター少年たちなら必ず一度はトライした経験があるだろう。
(下図参照)
画像


ライブでのアコースティックセットでのパフォーマンスでおなじみ。
ちなみにライブでのボーカルはフレディ。
歌詞も若干異なる。
しかしこの曲の特筆すべき点は詞の世界であろう。
さすが、天文学者ブライアン。
近未来を舞台に、相対性理論に基づいた時間の流れの歪みに翻弄された愛とでも言うのだろうか。
それにしても、CDに付属されている歌詞カードの訳詞はメチャクチャである。
あれじゃあ、ブライアンが意図した悲しみは伝わらない。
少し長くなるが、歌詞を全部引用してみたいと思う。
In the year of thirty-nine
(それは39年のこと)
Assembled here the volunteers
(ここに志願者たちが集まってきた)
In the days when lands were few
(ほとんどの陸地が水に沈んでしまっていた頃の話)
Here [And] the ship sailed out into the blue and sunny [misty] morn
([そして]空が青く澄み渡った[靄った]朝に、ここから宇宙船は旅立った)
The sweetest sight ever seen
(いままで見たことのない素晴らしい光景だった)
And the night followed day
(さらに「彼」は話を続ける)
And the story tellers say
(やがて夜が訪れ)
That the score brave souls inside
(集まった勇敢な者たちを包み込む)
For [so] many a lonely day
(何日も孤独な旅は続き)
Sailed across the milky seas
(やがて天の川を越えていった)
Never looked back never feared never cried
(振り返ることも、恐れることも、泣き叫ぶこともなく)

*
Don't you hear my call
(おい、僕の声は聞こえていないのかい)
Though you're many years away
(君と過ごしたのはもう遥か昔のこと)
Don't you hear me calling you
(君を呼ぶ声が聞こえないのかい)
Write your letters in the sand
(砂浜に手紙を書いておくれ)
For the day I'll take your hand
(僕が君の手を取る日のために)
In the land that our grand-children knew
(僕たちの子孫がよく知っていたあの大地で)

ここまでが1コーラス目。
未来のある39年。
温暖化は加速し、地球にはほとんど陸地がなくなってしまった。
人間たちは宇宙に移住先を求め、志願者を募り送り出した。
愛しい妻と子を残し、人々を救うために宇宙探索に参加した男の物語。
[赤字]の部分は、ライブでフレディが歌詞を変えている部分。
さて、2コーラス目へ。
In the year of thirty-nine
(それは39年のこと)
Came a [A simple] ship from the blue
(空から宇宙船が[一機だけ]戻ってきた)
The volunteers came home that day
(やっと志願者たちは故郷へ戻った)
And they bring good news
(彼らは素晴らしいニュースをもたらした)
Of [From] a world so newly born
(新しい世界が生まれるのだ[新世界から戻ってきたのだ])
Though their hearts so heavily weigh
(なのに、彼らの気持は晴れていなかった)
For [Now] the earth is old and grey
([今では]地球が古くくすんでしまっていたからだ)
Little darling[To our new home] we'll away
(愛しい人よ、[僕たちの新しい故郷へ]さあ旅立とう)
But my love this cannot be
(でも、愛する人よ、そんなはずが・・)
Oh so many years have gone
(一体どれだけの月日が流れたのだ)
Though I'm older but a year
(僕はたったひとつしか年をとっていないのに)
Your mothers eyes from your eyes cry to me
(悲しみを湛える君の眼は君のお母さんの目にそっくりだよ)

*Repeat

Don't you hear my call
(あい、僕の声が聞こえないのかい)
Though you're many years away
(君と過ごしたのは一体いつだったんだろう)
Don't you hear me calling you
(君を呼ぶ声が聞こえないのかい)
All your letters in the sand
(君が砂に書き遺してくれた手紙)
Cannot heal me like your hand
(でも本当に恋しいのは君の手なんだ)
For my life still ahead
(僕の人生はまだまだ終わりそうにない)
Pity me
(悲しいよ)

39年に宇宙探索隊は地球に帰還する。
無事に移住先を発見してきたようだ。
しかし、彼らは戻ってきた地球に違和感を感じる。
なぜか随分朽ち果てている。
愛しい妻に会うために我が家に戻る。
そこに妻はいず、妻によく似た目をした女の子に出会う。
そこで、真実に気づく。
いわゆる「ウラシマ効果」。
彼らが宇宙に出ていた間、1年しか経っていないと感じていた。
しかし、地球上では100年が経過し、また同じ39年となっていたのだ。
もちろん、もう妻はいない。

歌詞中に登場する"the land that our grand-children knew"とは、下線部に過去形を使っていることから、おそらく地球のことを指すのであろう。
また、"letters in the sand"とはもちろん、パット・ブーンの"砂に書いたラブレター"(そういえば、"雪に書いたラブレター"というのもあったが)からの引用であろう。

このストーリーを読んで我々の世代が思い出すのは、1968年に公開され驚愕のラストシーンで度肝を抜いた「猿の惑星」であろう。
もちろんブライアン自身も意識していたことであろう。

それにしても、カントリーの器に様々なあり得ないパーツを盛り込んで作り上げられたブライアンワールド。
これぞ、Queen!

さて、次回はA面6曲目。
ブライアン連発、"Sweet Lady"。
Queen崩壊の兆しを感じさせる1曲。

77年 Houston
さすがのロジャーもあのハイトーンは無理でしょ!


Love Letters in the Sand / Pat Boone


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Long Away
日本語にすれば「遠く離れて」。 ブライアン作。 フレディは不参加。 コーラスもごく一部分でロジャーの声が聴こえる以外はブライアンひとりのオーバーダブ。 アメリカ、カナダ、ニュージーランドの3国においてはシングルカットされたが、リーディングトラック(A面)としてはQueen史上唯一、フレディ以外がリードボーカルをとる作品となった。 ...続きを見る
My Fairy Kingdom
2008/12/16 23:02

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
おはようございます!

39曲目の曲とは目からウロコですね。
それにしてもこの曲がPat Booneまで飛躍するとはよく勉強されてますね、その音楽知識には脱帽です。
ここで"砂に書いたラブレター"聴けるとはびっくり。
フレディのチェッカーフラッグをデザインに取り入れたタイツにはフレディらしさとともにどこか懐かしさを感じます。
流れ星
2008/06/22 10:10
流れ星さん、こんばんは。
39曲目やから"'39"説は、自分が学生の頃から囁かれていました。
少しは関係していると思うのですが。
この曲のことを考えると、どうしてもフレディのタイツ姿が思い浮かんでしまうのは、「華麗なるレース」の内ジャケットのせいかも知れません。
lifeisreal
2008/06/22 18:12
初めまして。
全て読ませていただきましたが、とても参考になりました!なる程、と思うことや新事実等が・・・まさに目からウロコです。
77Houstonはロジャー途中で声が出てませんがHydeParkではなんとか出し切ってますよね。凄い・・。
ではでは、次回も楽しみにしてます^^
インペリアルペンギン
2008/06/24 09:00
インペリアルペンギンさん、初めまして。
ブライアンに深い縁のあるペンギンさんからコメントいただけてうれしいです。
ほとんど裏付けなしの思いつき、可愛さ余って憎さ百倍の客観性に欠ける内容なので、眉に唾してお読みいただければと思います。
なかなか更新できませんが、最後までやり通すつもりなので、お付き合いいただければ幸いです。
lifeisreal
2008/06/24 23:16
はじめまして

いきなりで不躾なんですが
ライブ版のフレディーは
misty moonではなくfestivalと言ってませんか?

そうならばa simple ship というところがすんなりと納得できると思います
バルサラ
2013/04/26 08:31
バルサラさん、こんばんは。
不躾なんて、とんでもないですよ。

ご指摘の箇所ですが"misty moon(ミスティムーン)"ではなくて、"misty morn(ミスティモーン)"です。
"morn(モーン)"という言葉自体は、ブライアンの歌詞にも元々使われている言葉なので間違いないのではないかと思うのですが。
再度、聞き直しても自分には"ミスティモーン"と聞こえます。
いかがでしょうか。
lifeisreal
2013/04/27 20:47
ミスティーヌーンと聞こえますね
噛みついてすいません
オペラ座の夜の2011リマスターのボーナストラックを聴いているのですが
それにはサニーヌーンと書いてありましたが確実に違うので
自分で聞き取っていたらfestivalと勘違いしていたみたいです
バルサラ
2013/04/27 23:18
バルサラさん、こんばんは。

あのボーナストラックはアールズコートでのライブ音源ですよね。
以下のところでその時の動画を見ることができます。

http://youtu.be/hoRTEJgFqNc

話題の部分は52秒あたりになりますが、ちょうどフレディの口元がよく見えます。
"ミスティモーン"と歌っていることが視覚的にも確認できると思います。
ぜひご確認ください。
lifeisreal
2013/04/29 00:11

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