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zoom RSS Sweet Lady

<<   作成日時 : 2008/06/29 08:42   >>

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日本語にすれば、「いい女」。
ウルフルズかっ!?
ブライアン作。
「戦慄・・」〜「Sheer 〜」までの全てのアルバムでブライアンの曲がトップを飾っていたことを考えると、このアルバムでは5・6曲目と、遅めの登場である。

"I'm in Love with My Car"で6/8拍子を採りいれたことと関係があるのかないのか定かではないが、ブライアン作のこのヘビーチューンは3/4拍子。(一部4/4拍子)
まさに、ブンチャッチャである。
しかし、そのブンチャッチャを全く感じさせない乾いてヘビーなギターリフは、Queenにとっての新たなチャレンジと言えるだろう。
その乾いたリフが能天気な歌詞と相まって、いかにもアメリカンな雰囲気を醸し出している。
(決して、アメリカンな歌詞が嫌いなわけではない。)
ただ、このようなロックチューンにおいてブライアンはしばしば妙にワルぶってみたり、オンナに誑かされたりといった歌詞を書き、逆に自分の良い子ゆえの不器用さを露呈してしまう。
そういう意味ではこの曲の歌詞も、かなりからまわっている。(もちろん独断である)
You call me up and treat me like a dog
(お前は俺を呼び出して犬ころのように扱う)
You call me up and tear me up inside
(俺に電話してきては俺のハートをグチャグチャにしてしまう)
You've got me on a lead
(お前に繋がれていて離れられないんだ)
Oooh you bring me down you shout around
(ああ、お前が大声をはりあげると俺は気が滅入ってくるんだ)
You don't believe that I'm alone
(俺には誰もいないんだって言ってもお前は信じようとしない)
Oooh you don't believe me
(ああ、なんで信じてくれないんだよ)

Sweet lady
(いいおんなぁ〜)

がっかりである。

しかも、サビになると「ダダッダッダッダ、ダーダー、スイーレイデー」!
すっかり萎えてしまう。
どう聴いてもスイートなレディーとのラブアフェアには聴こえてこない。

しかし、この曲の一番の魅力はリフにある。
リフと言えば、ブリティッシュ・ハード界にはJimmy Page、Ritchie Blackmoreといったリフの神様達が!
だが、そういった諸先輩方と比較すると、残念ながらブライアンのリフはお世辞にも魅力的とは言い難いものが多い。
その理由のひとつに「困った時の"sus4"」とばかりに"sus4系"を乱用する傾向があげられる。
しかし、この曲は、その乱用気味の"sus4"を交えただけのカッティングなのであるが、3/4というロックソングにしては中途半端な拍数が功を奏して、最高にカッコよく決まっている。
しかも、さほど複雑な割り振りをしているわけではないのだが、ライトチャンネルに重ねられた歪みの違う2本とレフトチャンネルの深めに歪んだ1本をうまく出したり引いたりすることでこの上ないダイナミクスを演出している。
また、イントロのベースが入ってきたあたりからスネアドラムのスナッピーが反響する音がかなり聴こえてくる。
(0'13''あたり、ギターのフレーズに合わせて"シャーシャシャ"と入る雑音)
本来は雑音なのだが、このあたりの処理のラフさも、逆にプラスに作用している。
(下図参照:今回からスコアメーカーを導入したが、譜面の知識がないため正しいのか分からない)
画像

2'23''からのブレイクではこのフレーズが開放弦を交えて(いわゆるローコード)でプレイされる。
軽く歪ませフェイズアウトした音色であるが、そのギターの音色のセクシーなこと。
フレディのファルセットにも匹敵するほどである。

ロジャーが2002年頃のインタビューで、この曲に対して「ブライアンは3つの違うことをひとつにまとめようとしていたので、かなり理解しづらい曲だった」とのコメントを残している。
確かに、3/4拍子のヘビーチューンをどんなビートで導くのかは難問である。
そのためか、サビとハーフになるエンディング以外はすべて頭打ちでプレイしている。
そして随所にちりばめられたSWEETのミック・タッカーを髣髴とさせる「ダラララ、ダラララ」という3連符をからめたフレーズが印象的である。(0'16''など)

そして、この曲を語る際に必ず話題に上るのは、ドラムのサビへの入り方である。
0'59から最初のサビ(ダダッダッダッダ、ダーダー)が始まる。
しかし、ロジャーはそれまでと同じ頭打ちのパターンを叩いている。
そして、3小節目(1'02'')から遅れてそのフレーズに合わせたパターンに変わるのだ。
この理由に関して、ROCK JET紙でミューシャンの西脇氏はこのように書かれている。
「・・ひょっとしたらロジャーは覚えきれなかったんじゃないかと思って。"あっ、ここサビか"みたいな。」
つまり、ロジャーがミスで入りそこなったのを最終的なアレンジとして取り入れたということだ。
自分もこれまで、ずっとロジャーのミスだと思っていた。
しかし、今回、あらためてじっくり聴き直してみて、別の可能性もあるのでは・・・と。

手がかりその1
イントロのギターに合わせて振動するスナッピー。
後で差し替えたにせよ、ドラムトラックはギター・ベースと一緒に録音されている。
しかも、かなり近い距離で・・。
お互いが顔を見合せながらプレイできるような状況で、そのようなミスは起こらないのではないだろうか。

手がかりその2
ロジャーが遅れてサビのフレーズに入る直前に、スネアを叩いてパターンが変化することを伝えている。
もし、ロジャーが意図的に遅れてこのフレーズに入っているのなら、つまり、他の楽器が自分よりも一足先に次のパターンへ移っていることを知っているなら、おそらくここに合図のスネアは入れないであろう。

手がかりその3
1度目のサビのラスト、1'10''のあたりでギターとベースは「ダダッダッダッダ、ダーダー」のフレーズが終わり、コードのロングトーンでサビのシメにかかっている。
しかしドラムは、1小節余分に前のパターンを叩いている。
つまり、ドラムは他の楽器に比べて2小節遅くこのパターンに入り、1小節長くこのパターンを叩いている。
それもミス?どうもそうは考えにくい。

以上の3点を総合して思い当った可能性とは・・・。
「ギター・ベースのみ録り直し説」である。

ある程度録音が進み、いざ歌録りとなった時点で何らかの問題が生じた。
曲を一部書き直ししなければならなくなった。
そのため、小節割が変わり、構成が少し変わった。
さあ、どうする・・・・?
しかし、ドラムトラックは全て録り終わっていたので機材は既に撤収されていた。
録り直しはあきらめるか・・・・。
だが、まだベースやギターはダビングや録り直しの関係でまだ録音できる状態であった。
ボツにするくらいなら、少々乱暴でも・・・・えーい、やってまえ!
サビのパターンに入るタイミングがずれてしまうけど・・・・?
それはそれでいいやん!
というわけで、元のドラムトラックをそのまま流用し、「ギターとベースのみ新しい構成で録り直し」となったのではないのだろうか。

ま、いずれにせよ真実は藪の中である。

さて、随分長くなったが、最後にもう1点だけ触れなければならないことがある。
それは、この頃を境に、ブライアンの作品にギターリフ主体の曲が増えてゆくことだ。
そのことがこのバンドの存続を揺るがすような大きな軋轢を生むことになるのだ。

ギターの欠点は、キーが変わると同じフレーズやリフでもダイナミクスが大きく変わってしまうことだ。
開放弦を効果的に交えることで、ワイルドでダイナミックなリフ構成となるからだ。
この曲のキーは"E"であるが、もしこれを1音落としてキー"D"にしてしまうと、一気に迫力がなくなってしまう。
(6弦のみローDに落とすという手法もあるが・・・)
そのために犠牲になってしまうものがある。
そう、ボーカルだ。
本来なら、メロディラインの音程が高ければ全体のキーを落とせばいい。
しかし、ギターリフによってはそれができない場合がある。
そうなるとボーカリストが無理をするしかない。

この曲も、フレディが伸び伸びと歌える音域よりもはるかに上でメロディーが展開される。
そのため、スタジオ盤でもいっぱいいっぱい。
ライブではほとんどメロディを歌うことができないような惨状である。
どうして、それでもこの曲をライブで演奏することになったのかが不思議だ。
彼らはどう思っていたのだろう。

そして、やがてフレディとブライアンの間の溝がどんどん広がってゆくことになる。

さて、次回はA面ラスト。
"Seaside Rendezvous"。

76年 Hydepark
残念ながらこのキーではフレディには歌えない


SWEET "Fox on the Run"
当時、なにかとQueenと引き合いに・・・

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
Sweet Ladyは私も好きですね。
それにしてもブライアンの話付きとは何かギターが小さく見える、ブライアンが大男なのか?

SWEETの登場ですね、リアルタイムならlifeisrealさんは小学生ぐらいではないですか。
私も去年の10月ぐらいに紹介しましたがその時は”sweet”ではビデオ出てきませんでした、
そこで”THE SWEET”で数曲出て来ました。
今は”sweet”だけで検索で出てきます、たしかにQUEENのライバルと言われてましたがまったく別物ですね。
比べたらどちらも可愛そうです。
でも、SWEETは当時大好きなバンドだったな。
流れ星
2008/06/30 19:53
流れ星さん、ありがとうございます。
このインタビューつきの映像は、"Making of A Night at the Opera"というDVDからのものですね。そういった正規版で、このボロボロの"Sweet Lady"の映像を採用するのであれば、ぜひ"Hydepark Concert"の完全正規版をリリースしてもらいたいものです。
全般的に演奏はあまりよくありませんが、ドキュメンタリーとして非常に価値のあるものだと思います。
SWEETはあまり詳しくないのですが、"Fox on the Run"と"Action"のポップさ、ヘビーさ、過剰さのどれをとっても満足できる曲です。
それにしても、ブライアン・コノリーもすごい喉の持ち主だと、つくづく感心します。
lifeisreal
2008/06/30 22:54
お久しぶりにお邪魔します!
最近、ブログが…(>_<)

むっちゃ詳細な分析、さすがですm(__)m
先日、ネルソン氏の誕生日ライブにQueenが登場したみたいですネ!(^^)!


KENONE
2008/07/01 17:17
お久しぶりです!
“Sweet Lady”のライヴヴァージョン、初めて拝見いたしました。
この頃のライヴってフレディのフェイクが結構多いですよねー。
僕はこのフェイクが好きなので、このライヴヴァージョンの“Sweet Lady”はものすごく新鮮にうつりました。
僕のみたところでは初期の頃は喉の調子によってフェイクの有無が決まっている、後期は一つのパターンとしてフェイクがある、のような違いがある気がするんですが、僕はやっぱり前者の方が好きです。
フレディのヴォーカリストのセンスを見ることが出来ますからね。
というわけで僕はこのライヴヴァージョンは好きです!
ぴぐのーず
2008/07/01 23:20
オッチャン、ありがとうございます。
すっかりご無沙汰しています。
なかなか更新できずに申し訳ないです。
彼らも秋からのツアーに向けていよいよウオームアップというところでしょうか。
それにしても"One Vision"がオープニングとは、またまた次回のツアーが楽しみです。
日本は来年の夏くらいですかね。
次回も必ず行きますよ!
lifeisreal
2008/07/02 00:30
ぴぐのーずさん、ありがとうございます。
ごぶさたしております。
確かにおっしゃる通り、フレディのフェイクはライブの魅力のひとつであると思います。
特にこの曲に関しては、キーの高さでかなり無理があるにもかかわらず、楽曲の持ち味を損なわずに再現するために全身全霊を傾けている姿が印象的です。
Queenがライブバンドとしても評価が高かったのは、圧倒的にフレディに依るところが多いのは間違いのないことです。
lifeisreal
2008/07/02 00:43
こんにちは。
私は最初この曲を聴いた時「他の収録曲と比べたら一般受けしないタイプなんだろうな」と思った記憶が・・・。なにせ、俺は愛車にゾッコン(笑)やベストフレンドや'39やLove of〜があったので。それらの曲に比べたら一般受けは・・・?
でも、何故か癖になる曲なんですよね。特に初期のQueenは多いと思うんですが、レスペ独特の古い木のような、良い意味で古臭い音が3/4のテンポと組み合わさって癖になるんでしょうか・・・。初期の良さがあってなんだかんだ好きな曲です。
あとこの曲は歌詞が印象的でした。どこがSweet ladyなんだよ??と。(笑)ブライアン、この後にもFat bottomed girlsとかで凄い女が出てきますし・・・それらの曲を聴くと"ちょっと背伸びして悪ぶった一人っ子"のレッテルが私の中でブライアンに貼られます・・(苦笑)
では次回も楽しみにしております
インペリアルペンギン
2008/07/06 16:37
ありがとうございます、インペリアルペンギンさん。
確かに、一般受けしそうにないですよね。
3拍子なので、普通の人にとってはなんとなく乗り切れないメロディ展開だと思います。
だからこそハマればハマるという感じはしますね。でも、本当にこのリフは気持ちいいです。
歪み具合を変えたギターが何本かダビングされていますが、やはり最初にリフを刻むギターの音が、レッド・スペシャルらしいな、と。
まさにブライアンの音です。
聴いたら一発で分かります。
コーンと抜けるミッドレンジがたまりません。
もちろん、ギターの特性もさることながら、この頃にはレコーディングでは、レスペ+トレブルブースター+ディーキーアンプ(ジョンお手製のトランジスタ!?アンプ)という組み合わせは確立されていたのではないでしょうか。
それとコインをやめて普通のピック弾きになっていたのではないでしょうか。
その組み合わせで、本当になんとも言えないデリケートな音が・・・。
ブライアンならではの艶やかなパリパリスコーンサウンドです。
lifeisreal
2008/07/08 01:06

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