My Fairy Kingdom

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zoom RSS You and I

<<   作成日時 : 2009/01/24 14:29   >>

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文字通り「君と僕」。
Queenには全く初めての、ピアノ主体の軽快な8ビート。
ギターオーケストレーションとハーモニーもそれなりに。
当時、多くから評されたように、まさにエルトン・ジョン風。
現在の視点から例えるならば、ビリー・ジョエルかベン・フォールズ。
そう、ぜひベン・フォールズにプレイしてもらいたい一曲。
コテコテで奔放に展開してゆく"The Millionaire Waltz"とは対照的。
Queenのパーツを纏いながらも、確実に今までのQueenにはなかったカラーを放っている。
Queenの縮図とも言えるA面の4曲に続いて、この曲を締めくくりに配したのはまさに絶妙。
少々コーラスは複雑であるが、最高にライブ映えしそうなビート。
この曲が一度もライブ演奏されていないのは残念。

もし、何の予備知識もなくこの曲を聴いたとしたなら・・・。
ピアノ主体のアレンジやからフレディ作?
でも、D→A→Bm→Gというコード進行は典型的なギターソング・・・ということはブライアン?
おそらくジョンの作品であるとは誰も思わないであろう。
"Misfire"、"You're My Best Friend"から考えると、比べ物にならないくらいトリッキーな歌詞。
Queen色に彩られたオーソドックスなポップ・ロックソング。
この曲の向こうにQueenの未来は広がっているのだが、この時点ではそんなことは誰も知らない・・・ジョンを除いて?

D→D/Gのピアノのコードストロークに続いてロジャーが高音タムで切り込んでくる。
高音タム?
ロジャーと言えば、口径13インチ&16インチ(フロアタムなみ!)という超ドンドコセットがトレードマーク。
おそらく口径10インチと思われるタムから切れ込んでくるとは。
ロジャーの選択なのか、ジョンの要求なのかは分からない。
このアルバムのレコーディング中に行われたHydepark Free Conert映像を見ると、13インチの上側になんと6インチ8インチ10インチというタム群が。
しかもフロアタムの上部にはティンバレスも。
翌77年のEarls Courtのコンサートでも、"Liar"のイントロや"Keep Yourself Alive"のドラムソロでフルに活用されているが、特に後者においては曲中のフィルでも高音タムが大活躍である。
この前年(75年)のHammersmithでの"Keep Yourself Alive"でドラムセットとの違いを比較してもらえれば非常に分かりやすい。
単にマネージメントの搾取が減り、お金にゆとりができただけなのか、それともアーティスティックな理由からなのかは分からないが、ロジャーのセットはこの時期を境にどんどん肥大化してゆく。
この冒頭のフレーズが、その変化を高らかに宣言しているかのようだ。

そのロジャーのフレーズに導かれてジョンのベース。(↓下図参照)
画像

前曲に続いて、イントロはギターレスである。
歌とともに控え目に登場するアコースティックギターはジョンのプレイ。

(0'28''〜)
Not tonight come tomorrow
(今日はダメ、明日来てね)
When everything's sunny and bright
(全てが陽の光に包まれているうちに)
No no no come tomorrow
(ダメダメ、明日来てってば)
Because then we'll be waiting in the moonlight
(だってそうすれば月明かりの中でその時を待つことになるでしょ)
軽快なリズムに乗せて、ジョンの紡ぐラブラブワールド。
今回は、かなりじらされている。
しかも、下線部の韻にこだわるためストーリーが難解になってきている。
緑マーカー部の"waiting"部分の弾むようなベースの絡みかたが印象的である。
このパートから次のパートへかけてのコーラスアレンジは、一聴すればいかにもQueenであるが、よくよく聴いてみると何かが違う。
これまでこんなにストレートで爽やかなコーラスの展開があっただろうか。
ジョンの作品はこれまでのQueen色は踏まえながらも確実に新しいものをもたらしている。

しかし、そのラブラブワールドにも少し翳りが射してくる。
(1'11'〜)
Ooo, you know I never could foresee the future years
(ああ、僕に未来を見通す力なんてないことを知ってるよね)
You know I never could see where life was leading me
(そして僕の人生がどうなってきたのかも分かってないってことも)
But will we be together forever?
(でも永遠に一緒にいられるのだろうか。)
What will be my love?
(愛する人よ、どうなるんだろう。)
Can't you see that I just don't know
(僕には何も分かってないってことが分かるだろ。)
I don't care
(僕はそんなこと気にしちゃいないんだ。)
ブライアンは男の白玉(全音符)一発バッキング。
リードボーカルはレフトチャンネル、コーラスがライトチャンネルへ。
おそらくこの部分だけが全く繰り返されることのない全く独立したパターンになるので、強調するためにこのようなパンニングをしていると思われる。
強引な見方をすれば、この部分のみ話し手が違うというように解釈することもできるが、やはり少し苦しい。
そう言えば、これまでのジョンの作品を振り返ってみると、必ずリードボーカルの大胆なパンニングが。

"Misfire"は全編レフトチャンネルとライトチャンネルの掛け合い。
レフト・ライトで対話になっているわけではなく、単にパターンの変化に合わせてパンニングしてあるようだ。
また、"You're My Best Friend"では0'56''からリードボーカルがライトチャンネルへとパンニングされる。
これも"You and I"同様、曲中でたった1回しか登場しない独立したパターンであるため、強調しようとしてのパンニングであろう。

そして引き続き登場するブライアンのソロも非常に印象的。(下図参照↓)
画像

ほぼペンタトニック一発で、コンパクトかつワイルド。
1小節目、2小節目の最初の音がベース音に対して長3度上で入るあたりも芸が細かい。
ピッキングやチョーキングのラフさまで全てがプラスの方向へ作用している。

Queenにおけるジョンとは、ちょうどThe Beatlesにおけるリンゴのような存在であったのだろうか。
リンゴの曲(リンゴ作、またはリードボーカル)においてはそれぞれのメンバーが全くエゴを捨てて、リンゴを盛りたてようと協力し合っている。
Queenにおいてもジョンの作品には、それぞれのメンバーの新たな取り組みが垣間見える。
そしてまたその各メンバーの姿勢が、コンポーザーとしてのジョンを成長させていったのだ。
やがてジョンは鎹となり、バンドがバラバラに崩壊するのを食い止めてゆくことになるのだ。

さあ、「華麗なるレース」もいよいよB面へ。
次はいよいよ"Somebody to Love(愛にすべてを)"。

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Good Old-Fashioned Lover Boy (懐かしのラバーボーイ)
「いかすね、古いタイプの色男」。 フレディ作。 ポップセンス全開。 されど、過剰過ぎる装飾はなし。 プレイヤーとしての4人のメンバーのバランスが非常によい。 特にブライアンのプレイは、このタイプの曲の中ではピカイチ! 「Race Tour」、「News of the World Tour」ではメドレーの一部としてプレイされた。 特にブート映像でお馴染みの「Live in Houston」で代表される後者においては、この曲や"The Millionaire〜"、"Get Dow... ...続きを見る
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2009/03/16 19:28
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