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zoom RSS Somebody to Love (愛にすべてを)

<<   作成日時 : 2009/01/30 00:04   >>

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音楽性がどんなに混沌としようとも、Queenを代表する1曲。
迷わず断言できる。
フレディ作。
"The Millionaire〜"に続いて、3拍子(厳密には6/8)ふたたび。
ライブの定番曲。
ステージ上ではオーディエンスのエネルギーを吸い込んで、スタジオバージョンとは全く違う、パワー満ち溢れた曲として炸裂する。

日本語にすれば「愛すべき人」。
つまりこの曲の主人公は"誰かを愛したい"と思っているのに、誰を愛すればいいのか分からないのだ。
度々繰り返される、"Can anybody find me somebody to love?"という一節を日本語にするなら、「誰を愛すればいいの?誰か教えて!」というような感じ。
もしも"Somebody to Love Me"であったなら、"誰か僕を愛してぇ〜"という意味に変わる。
ひょっとして後者の意味に誤解されていることが多いのではなかろうか。

「華麗なるレース」からの先行シングルであるということや、ビデオクリップが頻繁にテレビでオンエアーされた効果もあって、まさにアルバムを象徴する1曲と言えるだろう。
彼らのコンサートに足を運ぶなど、夢のまた夢であった山陰の片田舎の中学坊主にとってフィルムコンサート(でかいスクリーンにビデオクリップが流されるだけ、もちろんテレビでも何度も目にしていた)で目にする彼らのでっかい雄姿は涙が溢れるほどの感動を与えてくれた。
当時は随分"Bohemian Rhapsody"との内容的な関連性がまことしやかに語られていた(確かに「その後」的なイメージで捉えることもでなくはないが・・)が、今となってはどうでもよいこと。

Queen初の本格的な黒人音楽へのアプローチ。
そのゴスペルというフォーマットに乗って自由自在に飛びまわるフレディのボーカル。
この曲の素晴らしさはそのことに尽きる。
フレディ演じる主人公が一人称で神に問いかける。
そして天使達(クワイア)がその主人公と神の間を行き来する。
(0'27''〜)
Each morning I get up I die a little
(毎朝目覚めるたびに少しずつ死んでゆくようだ)
Can barely stand on my feet
(やっとのことで立ち上がり)
Take a look in the mirror and cry
(鏡を見て涙を流す)
[Take a look at yourself in the mirror, and cry
(鏡に映る自分の姿をご覧、そして泣きなさい)]
天使たちが直接主人公に語りかける(緑マーカー部)時には主人公に二人称で呼びかける。
(1'02''〜)
I work hard [he works hard] every day of my life
(僕は必死で働いている[彼はよく働いているよ]くる日もくる日も)
I work till I ache my bones
(働いて働いて骨が痛くなるほどさ)
At the end [At the end of the day]
(そして一日が終わる[一日の終わりが来るのさ])
I take home my hard earned pay all on my own
(必死で稼いだ給料をもって家路につくのさ)
[(He) goes home, goes home on his own)
(彼は自分の家へと帰って行くのさ)]
一方、天使達が「神」に彼の様子を伝える(黄色マーカー部)際には、主人公は三人称で描写される。
フレディ自身はゾロアスター教であった。
そのため、彼自身とキリスト教の世界観がどのように関わっていたのかは不明である。
しかし、この曲のストーリーの中で「自分」、「天使」、そしてその両者の視線を通して「神」を描ききっている。
まるで教会の壁に描かれたフレスコ画のようである。
クリエーター、そして表現者としてのフレディがいかに充実していたのかが伝わってくる。

表現者として最高に輝きを放っているのが、R&Bのコード展開をしてゆくギターソロ前のヴァースだ。
(1'38''〜)
Everyday - I try and I try and I try
(毎日、僕はこんなにがんばってる)
But everybody wants to put me down
(でも奴らは僕のことをバカにするんだ)
They say I'm going crazy
(「こいつはいかれてるぜ!」)
They say I got a lot of water in my brain
(「頭の中には水しかつまってないぜ!」)
Ah, got no common sense
(「ほら、こいつには常識なんて通用しないんだぜ!」)
I got nobody left to believe in
(僕には誰も信じることができないんだ。)

スリリングに言葉をたたみ掛けてゆく。
しかしそれは前アルバムまでの自分自身の姿が投影された主人公ではない。
逆に、自分自身を完全に創作世界の中に取り込み、それぞれの楽曲の中でのメインキャラクターを演じてゆく。
このアルバムに収録されたフレディの4作品、これこそが彼の創作力の頂点である。
(あくまでも筆者の勝手な独り言であり、何の根拠もない。あしからず・・・)

表現者としてのフレディは最期まで発展し続けていった。
しかしクリエーターとしてのフレディの姿勢(視点)は、このアルバムを境に全く変わってしまう。
これ以降の彼の作品の先には常に、「聴き手はこう反応するはず」というデッサンが見えてしまうのだ。
そう、「お仕事」的な匂いがプンプン立ち込めてくるのだ。
(くどいようだが、あくまでも何の根拠もない)
そう、ここから彼はクリエーターからエンターテイナーに変わっていくのだ。

おっと、随分話がそれてしまった・・・。
この曲のUSA盤のボーナストラック、Hollywood Records Mixバージョンを聴けば、さらにフレディの呼吸が伝わってくる。(ただしそれ以外の部分では疑問の残るMIXである)
ファンには一聴の価値あり。
ぜひCDでどうぞ。

「華麗なるレース」の項目でも書いたが"Another Piece of My Heart"[後の"Let Me Live"(「Made in Heaven」収録)]もこのアルバムセッションの際にはレコーディングされたとのこと。
「天使にラブソングを」で使われてもおかしくないほどの正統派ゴスペル。
もし、"Let Me Live"がこのアルバムに収録されていたら、ひょっとしたらこれ以降のQueenの方向性は大きく変わっていたのではないだろうか。

いずれにせよ、このアルバムは彼らの大きな分岐点となり、またこの曲はフレディの分岐点となったことは間違いがない。

さて、次はB面2曲目。
ブライアン節炸裂。
"White Man"。

"Somebody to Love" Hollywood Records Mix
リバーブやドラムの処理には疑問も残るが、
思いきったボーカルの処理はGOOD!




82年 Milton Keynes Bowl
"Huh, you're ready brothers & sisters!" 正規版で見られる最高のパフォーマンス。



92年 Freddie Mercury Tribute
もしフレディの代役ができるとすれば、誰もがGeorgeをイメージしたに違いない。



Gary Mullen "Somebody to Love"
驚異の喉を持つ男。フレディの代役にぜひ!


Ferenc Varga "Somebody to Love"
たった二人が紡ぐハーモニーがこの曲の世界観を見事に表現!


Ben Mills "Somebody to Love"
完全なアカペラ。この曲の理想形!




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Good Old-Fashioned Lover Boy (懐かしのラバーボーイ)
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My Fairy Kingdom
2009/03/16 19:30
Fight from the Inside (秘めたる炎)
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My Fairy Kingdom
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
lifeisrealさま♪ こんにチワワ

やっぱり”Somebody To Love”はエエですね〜!
このBenさんのも圧巻です!!!
個人的にはGeorgeさんが@番好っきかな・・・

Hollywoodのは確かに違いますね!ムッチャ若いFreddieが蘇ったかのよーです。
感動しました。。。。。
ありがと〜う

KENONE
2009/01/31 13:23
オッチャン、ありがとうございます。
自分にとってはここからがリアルタイムのQueenになるので、本当に思い入れがいっぱいです。
特にこの曲のPVは、動く彼らとの初遭遇でした。
もちろんビデオなどなく、この映像が流れそうな番組を必死でチェックしてたのを思い出します。

やっぱり多くの人から愛されている曲なので、多くのカバーバージョンがあり楽しめるのもうれしいです!
lifeisreal
2009/01/31 14:57

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