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zoom RSS White Man

<<   作成日時 : 2009/02/28 00:43   >>

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タイトルは「白人」。
なんてストレート。
ブライアン作。
ネイティブアメリカン(いわゆるアメリカのインディアン)の目を通した白人の新大陸への侵略。
前アルバムの"The Prophet's Song"に続いて、ドロップDのヘビーチューン。
そう言えば、この曲とセットで考えてみると"The Prophet's Song"に描写されているのは、新大陸発見前夜のネイティブアメリカンの姿にも思えてくる。
そうすると「Hot Space」のあの曲や、「WORKS」のあの曲へと繋がり、ミニアメリカ史ができあがるのでは・・・?
ま、この一連の流れをプチ組曲としてとらえてみるのも一興であろう。
妄想するのは自由なのだ。

1976年。
ベトナム戦争がひと段落つき、「本当にこのままでいいのか?」と自問自答を始めたアメリカ。
自由と夢の国に翳りが見え始めてきた頃。
そんなアメリカへのメッセージ。

この「華麗なるレース」発売前年、KANSASは"Song for America"の中で同様のメッセージを投げかけた。
(KANSASは後に「モノリスの謎」というネイティブアメリカンをテーマにしたアルバムも発表)
また、このアルバムと同じ76年12月、EAGLESがアメリカへの痛烈なメッセージ、「Hotel California」を発表したのは偶然か?(アルバムラストを締めくくる"The Last Resort"にて同様のテーマに言及)

Zep風とも言えるブルージーな正統派ブリティッシュハード。
そう言えばZepにも"Immigrants Song「移民の歌」"という名曲が。
そちらのテーマは、11世紀頃新大陸を目指したバイキング(実際は現カナダのニューファンドランド島に上陸?)。
一方こちら"White Man"はそれよりももっとずっと時代が下る。
大航海時代の終焉近く、イタリア人アメリゴ・ベスプッチが新大陸を発見。
それをきっかけに、ヨーロッパから「文明人」達が移住し、原住民達は土地も命も奪われていった。
彼らは東海岸から流入し殺戮を繰り返しながら西を目指した。
犠牲になったのは北米のネイティブ・アメリカンだけではない。
ご存じのように、中米のアステカ文明、南米のインカ文明なども滅ぼされてしまう。
そんな時代をテーマにブライアンワールドが展開される。

モジュレーション系エフェクト(フランジャー?)のノイズ。
ギターはライト、ボーカルはレフトに。
オリエンタルな響きのリフ。
テンションの落ちた6弦のクウォータ・チョーキングが心地よい。
(下図参照↓6弦=D)
画像

そう、このアルバムのイントロダクション。
そして、このツアーのオープニングのSEでもある。
ブライアンとしては思い入れたっぷりの構成なのだろうが、そこが賛否両論分かれるところ。
彼は"イントロダクション→B面2曲目→アウトロ"と関連性を持たせることで、トータルコンセプトアルバムのように一貫性のある流れを意図したのかもしれない。(ブライアン主導権型「Queen II」!?)
しかし、ブライアン以外のメンバーの作品のバラエティー豊かさと完成度の高さのために、結果的におもちゃ箱のようなカラフルなアルバムとなった。
そこが4人のエゴの妥協点。
セルフプロデュースは、はたして吉だったのか凶だったのか。
もし、この作品もロイがプロデュースしていれば、このブライアンの企みは全く採用されなかったであろう。
(いつものことだが何の根拠もない。あしからず。)
I'm a simple man
(俺はどこにでもいる男)
With a simple name
(名前だってありふれている)
From this soil my people came
(先祖達はこの土地に生まれ)
In this soil remain
(今もこの土地に眠る)
Oh yeah, oh yeah

We made us our shoes
(自分たちの手で靴を作った)
We trod soft on the land
(そしてその靴で優しく大地を踏みしめた)
But the immigrant built roads
(なのに侵略者たちは道路を築いた)
On our blood and sand
(俺たちの血が染み込んだ砂の上に)
Oh yeah, oh yeah
地名、人名、部族名といった具体的な表現は一切登場しない。
ブライアンの、いくぶん感情論に偏り気味の主観で"White Man"の侵略が語られてゆく。
そのため、歴史的事実を題材としている割には稚拙な印象である。
この抜粋した部分も含めて"simple"という単語が3度も使われている。
もちろん悪意がないのはよく分かるが、執拗に"simple=質素な、素朴な、単純な"という語で形容される側の気分はいかがなものか。
ファンタジーでもラブアフェアーでも私事でもない、「社会派」の視点。
コンポーザーとしての貪欲さをうかがわせるが、いかんせん惑星系理科人間のブライアン。
予習不足の感は否めない。

しかし、この曲のポイントはそんなセンチメンタルな歴史観ではない。
もちろんブライアンのギターだ。
"Brighton Rock"以来のディレイトリック大フィーチャー。
1'30''頃の歌バックでのオブリガードからすでにディレイ全開。
半小節ずらしの2本重ね。(レフト→ライト)
エンディングソロに入る3'40''頃からは3本重ねに。(レフト→ライト→センター)
(下図参照 もちろんドロップDで:3'58''〜)
画像

"G II"にディレイオン!
半小節ずれ、1小節ずれとかぶさってゆく。
やがてバックはブレイクし、ギターがカオスの渦となる。
そこに意図されたのは、"White Man"による侵略と殺戮なのだろうか。
"Brighton Rock"が「構築」のディレトリックであるなら、こちらは「破壊」のディレイトリック。
このアルバムをリアルタイムで聴いていた中学時代は、この部分が一体何の音なのかすら分からなかった。
What is left of your dream ?
(まだ夢を見ているかい?)
Just the words on your stone
(お前の墓石に刻まれた言葉)
A man who learned how to teach
(教える術を身につけてしまったら)
Then forgot how to learn
(知ろうとすることを忘れてしまう)
Oh yeah
混沌の後には静寂。
そして何の解決ももたらさない言葉。
だって現実にも何ひとつ解決していないのだから。

次は、フレディ最後の王道ポップチューン。
B面3曲目。
"Good Old-Fashioned Lover Boy(懐かしのラバーボーイ)"。

77年 Earl's Court
2'55''、お茶目なブライアン。



92年 "Song for America" KANSAS
最も不調であった"Freaks"期のKANSAS。

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Fat Bottomed Girls
オープニングの"Mustapha"に続きこの曲もアカペラでスタート。 しかしこちらはファン待望のいかにもなハーモニー。 基本は3声であるが、それぞれを何度も重ねてまさにサウンド・オブ・ウオール。 しかし、このアカペラパートは最初から予定されたものではなく、あとからラストのサビを流用して付け加えられたものであるようだ。 耐え得る最大のボリュームにし、ヘッドフォンでこのパートを聴いてみると、完全に消し切れていないベースやドラムの音を微かに聴きとることができる。 ちなみに、スタジオバー... ...続きを見る
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2010/08/20 00:23

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにチワワ(・◇・)ゞ

先月はコーシン無いんかと心配してたんですヨ( ̄▽ ̄;)
いつもながらお忙しい様子ですが、お身体気をつけて更新もヨロシクですo(*^▽^*)o~♪
KENONE
2009/03/01 13:27
オッチャン、ありがとうございます。
懲りずにいつもいつもお付き合いしていただき感謝です。

なんとか滑り込みで2月、ひとつだけ進みました。
日々、ちまちま書きすすめたりスコア作ったりしてたら1か月過ぎてました。
2月は逃げるとはよく言ったものです。
年度末となり、いろいろお忙しいとは思いますがお互いがんばっていきましょう。
lifeisreal
2009/03/01 20:37
QUEENとは関係なくて申し訳ないのですが、このKANSASのライヴ、ヴォーカルはSteve Walshなのでしょうか?
それにしては随分と高音がキツそうですが。
この頃のKANSASは全く知らなくて…。
ぴぐのーず
2009/03/07 23:59
ぴぐのーずさん、ありがとうございます。
このボーカルは、おっしゃる通りSteveです。
この"Live at Whiskey"はかなりコンディションが悪いです。
元来このバンドはSteveとバイオリンのRobbyが半々くらいの割合でリードボーカルを分け合っていますが、この頃はそのRobbyがいなかったためSteveがほとんどのパートを歌っていました。
そのため、彼に負担がかかり過ぎていたのではないかと思います。
しかし、この"Whiskey"体制のKANSAS崩壊後、1997年にはRobbyが復帰した形で再びバンドが動き出しました。
その頃には何度か来日もし、非常にクオリティの高い演奏を見せてくれました。
しかし、残念なことに2006年にRobbyはバンドを離れてしまいました。
現在は再びSteveが一人リードボーカルでやっているのだろうと思いますが、状況はよく分かりません。
近々DVDがリリースされそうなのでそれを楽しみにしています。
lifeisreal
2009/03/08 00:18
この曲は強烈にfOXXの赤フェーザーが使われてますね。この音色個人的に麻薬的に大好きです。
Daizo
2009/04/25 09:34
Daizoさん、こんばんは。
この曲は冒頭からモジュール系のうねりが炸裂していますね。
ペダルフェイザーを使っているということは何度となく雑誌で目にしていましたが、それがFOXXというメーカーのものであるとは知りませんでした。
ぜひ一度使ってみたいですね。

ちなみに、自分が30数年前に初めて買ったエフェクターはマクソンのフェイザーでした。
"Keep Yourself Alive"のイントロみたいな、いわゆるジェットサウンドになると思って買ったのにとんだ思惑違いでした。
lifeisreal
2009/04/25 20:42

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