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zoom RSS She Makes Me (Stormtrooper in Stilettoes)

<<   作成日時 : 2008/05/02 00:00   >>

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"make"という動詞は"作る"という意味でおなじみ。
しかし、第5文型(SVOC)の中で使役動詞として"〜させる、〜にする"という意味でも頻繁に用いられることは、学校教育で英語を学んだ経験があれば、耳にしたことがあるはず。
つまりこのタイトル"She makes me"は"彼女が私を作る"ではなく、"She makes me (C)"とあえてC(補語)を伏せた(含みをもたせた)と考えるのが自然であろう。
つまり"彼女は僕をCにさせる"。
そんなわけで、このタイトルをそれっぽく日本語にするなら「彼女のせいさ」。
ブライアン作。
自身のボーカル2作目。
Queenで1番地味な曲といっても過言ではないだろう。

しかし・・・
副題の"Stormtrooper"とは、残虐の限りを尽くした悪名高きナチスの戦闘部隊の名前。
(ちなみに現在では映画「STARWARS」に登場する戦闘員の名前としてもおなじみ。)
そして、"Stilleto"(短剣の一種)とはビリー・ジョエルの曲のタイトル(「52nd Street」収録)としても知られている。
戦うための道具というよりは、むしろ突き刺してとどめを刺すためのもの。
ビリーは、男を平気で傷つける女性の様子を"Stiletto"になぞらえているが、ブライアンは?
"スティレットを装備したストームトゥルーパー"とは何とも物騒だ。

最初から最後まで、あくまでも、どこまでも淡々と曲は続く。
演奏の中心はジョンが奏でる12弦のアコースティックギター。
基本的に"D""A"の繰り返し。
登場するフレディ以外の3人はひたすら抑えたプレイ。
特に"ドーン、ターン、ドーン、ターン"と忍耐のドラムは、重いスネア&バスドラに深いリバーブで、80年代のLAメタルを髣髴とさせる。
そして時折バグパイプを思わせるハーモニーとギター。

しかし、サビに入る前のコード展開が変わる部分(1'02''〜)でのひたすら"D"をキープするジョンのベースは色っぽくすらある。(下図参照、ブルーの部分)
画像

また、続くサビにおいても、スクエアにプレイされるアコギに対して、まるで解放されたかのようにのびのびプレイするジョンのベースが印象的である。(下図参照)
画像

特にピンクの部分のラインは印象的である。
2小節目は音がはっきり聞き取れないため、確信は持てないが雰囲気だけつかんでもらえればうれしい。
また、6小節目のイエローの部分は"B"のコードに対する長3度上の"レ#"。
この音を配することで、ベースの流れるような下降ラインを作りだし、同時にまろやかなベースの音でまろやかなハーモニーを築いている。

2度登場するサビのメッセージと切なさを誘うブライアンの声も印象的である。
(1'16''〜)
Who knows who she'll make me
(彼女の繭に包まれて)
As I lie in her cocoon
(彼女が僕をどんな男にしたいのかなんて誰にも分からない)
And the world will surely heal my ills
(そう、その世界は確実に僕を癒してくれるだろう)
I'm warm and terrified
(暖かい、でも恐怖は去らない)
She makes me so
(それは彼女のせいなんだ)

(2'15''〜)
Who knows where my dreams will end
(僕の夢がどこへ向かうのかなんて誰にも分からない)
I'll follow as they grow
(夢が大きくなるのに従うだけさ)
But the world will know how long I'll take
(でも、それにどのくらい時間がかかるのか、その世界だけが知っている)
And if I'm very slow she makes me so
(たとえ、随分時間がかかるとしても、それは彼女のせいなのさ)

そしてエンディング。
不安感を煽る転調の繰り返し。
NYPDのサイレンと雑踏の音。
機械的に続くフィードバック。
あまりにも唐突なロジャーの乱れ打ち。
そして、男のあえぐ声。
ここには一体どんな意図があるのか?

自身の肝炎のためアメリカツアーを途中で切り上げ。
そのため予定よりも早めに取り掛かった本作のレコーディング中には十二指腸潰瘍で入院。
あせり。
マネージメントの搾取による経済的な逼迫。
まさに身も心もボロボロの状態。
誰かにすがりたい。
そんな気持ちを素直に表したのかもしれない。
ここに歌われる"She"とは、最初の奥さんクリッシーのことなのか?

ブライアンのみならずバンド自体がいろいろなジレンマを抱えていた。
完全無欠のフィクション大作「Queen II」とは対極の、等身大のアルバム「Sheer Heart Attack」。
そう、それが彼らが下した決断。
彼らは、自分たちが信じた道を突き進んでゆくのだ。

いよいよ問題作「Sheer Heart Attack」もラスト。
次回はB面7曲目。
"In the Lap of the Gods.....revisited"

"Stiletto" Billy Joel

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
この曲のエンディング部はなかなか緊張感があり好っき!(^^)!
そして、”It's so easy 〜 ”の次曲へのつながり……

エエなあ〜〜〜っ(゜▽゜)
なんともゆえんくらい‥
エエなあー!。。。
KENONE
2008/05/02 06:03
この曲は本当に淡々と進みますね。
サイレンの音、そして息遣いよくわからないけど嫌いな曲ではないですね。
実験的精神を感じます。
流れ星
2008/05/02 13:47
スンマソ〜ン(゜▽゜)
また来てしまいましたぁ〜!

今日は3時ころから…
ZEPPELINの”In The Evening”を…
今もリピート中!!!

呆れたですかぁーーー( ̄▽ ̄;)
オッチャン
2008/05/02 19:24
オッチャン、ありがとうございます。
ガチャガチャの"リロイ・ブラウン"から全くブライアンらしくない「静」の"She Makes Me"、そしてQueen王道の"In the Lap"と、考えに考え抜いた曲順という気がします。
そう、このエンディングは非常に印象的です。

"In The Evening"と言えば、青シャツで煙たそうにタバコくわえてプレイしているジミー・ペイジが浮かびます。
アームうねうねやりすぎてわけわかんなくなってるジミーってとってもキュートです。
lifeisreal
2008/05/03 00:07
流れ星さん、ありがとうございます。
「実験的精神」。
いい言葉です。
確かにまるでドラマ仕立てのようなエンディング。
ブライアンも、確実にこれまでと違った世界へと踏み込んでいっています。
lifeisreal
2008/05/03 08:25

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