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zoom RSS Lazing on a Sunday Afternoon (うつろな日曜日)

<<   作成日時 : 2008/05/25 12:45   >>

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切れ味鋭いハーモニーで前曲が唐突に幕を閉じる。
するといきなりレトロなほんわかピアノ。
これぞQueenの真骨頂!
前作の"Misfire"、"Bring Back That Leroy Brown"といった「異端児」で探りを入れた成果が、いきなりここで花開く。
前作で虜となり、このアルバムに手を染めた中毒患者は思わずにんまりしたに違いない。

残念ながら"うつろな日曜日"という邦題ではこの曲の意図は伝わらない。
"うつろな"などと言われると、なんだか心にぽっかり穴があいて、日曜日だというのに何も手につかなくて・・・という情景が思い浮かんでしまう。
実際の内容はまったく逆。
月曜は仕事、火曜は新婚旅行、水曜の夜はサイクリング、木曜は動物園、金曜はルーブル美術館でお絵描き、そして土曜はなぜかプロポーズ。
これだけ忙しい一週間を過ごせば、日曜の午後くらいは・・・と思うのも当たりまえ。
だから、日本語にするなら「日曜の午後はだらだら過ごそう」。
いたって前向きである。
フレディ作。

歌詞の中に"Thursday I go waltzing to the Zoo"という一節がある。
一般的には"the Zoo"と大文字にするとリージェンツパークのそばにある"ロンドン動物園"を指す。
つまり、「木曜にはロンドン動物園へハイキング」となる。
フレディの墓参りをするためにイギリスを訪れた際にそのリージェンツパークすぐそばのホテルに滞在していたため、"The Zoo"の周りをずいぶんうろうろした。
また、隣のリージェンツパークには水際に巨大な柳の木が連なっており、「おお、これぞ"White Queen"に歌われた情景」と妙な感動をしたことが懐かしい。
また、アーサー・サリバンという19世紀の作曲家による"The Zoo"というコメディのオペラ作品がある。
"to"という前置詞には"(音楽など)に合わせて"という意味もあることから次のようにも解釈ができるのではないだろうか。
すなわち、「木曜には"The Zoo"に合わせてワルツとしゃれてみよう」。
あえて"waltz"(ワルツを踊る、軽やかに歩く)という言葉を使ったのは、そういったダブルミーニングを狙ったのではないだろうか。
周知の通り、このアルバムのタイトルは映画のコメディ作品からとられており、歌詞の中にはコメディの"オペラ作品"のタイトルが織り込まれている。
なんとも粋な言葉遊びではないか。
しかも、"waltz"という言葉は次のアルバムにおいても、フレディワールドを象徴する言葉となる。

こういった曲調にしては珍しく、76年のツアーではセットリストに組み込まれていた。
しかし残念なことに76年の9月おこなわれた、かの有名な"Hydepark Free Concert"ではプレイされていない。
幸運にもこの曲をナマで聴くことができたのはアメリカ、日本、オーストラリアのオーディエンス。
本国イギリスでこの曲を聴くことができたのは、Hydepark前のウオームアップギグとして行われた9月前半のエジンバラ公演に足を運んだ人達だけのようである。

イントロのスキップを思わせるピアノ。
以前、「Rock Jet」vol13誌上でミュージシャンの西脇辰弥氏が"イントロでテープチョッキンされている"旨のことを書かれていたので、まことに勝手ながら少し触れさせていただく。
"テープチョッキン"とはその言葉通り、録音したテープをハサミで切り、部分的にカットしてまたつなぎ直すというなんとも荒っぽい編集方法である。
小節でいえばちょうど2小節目と3小節目の間。(0'03"")
3小節目の頭のシbの音が出る直前に、2小節目のラストのシb(1オクターブ上)の音が不自然に途切れる。
西脇氏は"よりスピード感を増すために長かったイントロをカットしたのではないか"というようなことを書かれていたが、その意見に強く共感する。
残念ながら、氏に指摘されるまで、自分はこの部分のカットに関して全く気付かなかった。
さすが、長年Queenの楽曲に取り組んでこられたプロミュージシャン!
全く脱帽。

そして、ボーカルの登場。
随分加工されたフレディの声。
Wikipediaでこの録音方法について言及されているが、普通に歌った声をスピーカーの代わりにヘッドフォンで再生し、しかもそのヘッドフォンをブリキのバケツに入れ、その中で響く音をマイクで拾ったとのこと。
単にローがカットされているだけでなく、確かに破裂音では金属的なアタックが耳に残る。
真偽のほどは定かではないが十分に納得できる話である。

歌バックでの演奏はピアノ、ドラム、ベースのみ。
軽やかな曲調に合わせてロジャーのドラミングも非常にコミカルである。
特に、カウベルを組み込んだフレーズが強く印象に残る。(0'48''、0'55'')
また、ベースも時々フレディのボーカルラインと絡みながらウキウキした気持ちを演出する。
歌の締めくくりとなる部分で、ベース音から離れハーモニーラインへと入ってゆくあたりがいかにもジョンである。
(下図参照↓)
画像

同じコードが繰り返される中(ブルーの部分)で、ベースのみが上昇し、コードに対して長三度、五度とハーモニーを作りながら緊張感を高めてゆく。

そして一気に"A"に転調してギターオーケストレーション!
これぞカタルシス。
ハーモニーとしては3声であるが、それぞれの音程に少なくとも2本以上のギターを重ねて厚みを出している。
(下図参照↓、ソロの最初の2小節、G II、G IIIに関しては少々怪しい部分も・・・)
画像

ギターの盛大なハーモニーに彩られて、2分足らずのミニオペラは幕を閉じる。
そして、間髪置かずに次へ!

前のアルバムに続いて3曲目はロジャー作。
A面3曲目、"I'm in Love with My Car"。

Lazing on a Sunday Afternoon '76 日本公演
フレディがイントロでお茶目なミス!


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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
わずか2分ぐらいのこの曲でこれだけ語れるのですから、脱帽です。
やっぱり、オペラ座の夜の展開は私の頭に入ってますね、次の曲との繋がりが頭の中で聴こええてきます。
この曲、ラジオ体操思い出すのは私だけでしょうか、次は荒々しい声のロジャーにバトンタッチですね。
流れ星
2008/05/25 17:15
こんばんは!(^^)!

毎週”うつろな日曜日”を満喫しております。。。

前からすんごいとは思てたんやけど…
お墓参りに行かはったんやんなあー(☆_☆)

私は元妻の許可が出ず(>_<)葬儀には参列できんかった。。。

1991年‥、我が息子が生まれた年なんよなあーf^_^;
な〜んかビミョーやん( ̄▽ ̄;)
KENONE
2008/05/25 20:47
流れ星さん、ありがとうございます。
ラジオ体操!ナイスです。
そんなこと考えたこともありませんでした・・・。
早回しのラジオ体操ってかんじです。
このたたみ掛けるような展開。
おそらく多くの人たちの心に焼き付いていることだと思います。
lifeisreal
2008/05/26 00:17
オッチャン、ありがとうございます。
こちらも本当に「うつろな日曜日」です。
ふと気を許せばウトウト・・・。
ハッと気づくたびに、せっかくの日曜日が少しずつ減っていくことを実感しながらうつろな気分に・・・。
ロンドンを訪れたのは10年前。
フレディが亡くなって随分経ってからのことでした。
またいつかその時の珍道中のことも書きたいなと思っています。
また行きたいなあ〜。
lifeisreal
2008/05/26 00:22

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