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zoom RSS The Prophet's Song(預言者の唄)

<<   作成日時 : 2008/08/01 18:31   >>

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まさにド真ん中のストレートな邦題。
当初のタイトルは"People of the earth(地球人たちよ!)"だったそうな。
ブライアン作。
"Sweet Lady"と同じハード路線ではあるが、こちらは徹底的にブリティッシュ。
"Bohemian Rhapsody"とこの曲のどちらをシングルにするかで随分揉めたようであるが、最終的な彼らの決断が間違いでなかったことを時代が証明した。
もし、この曲がシングルになりヒットしていたなら・・・・この後のQueenは大きく変わったかもしれない。

A面が終わりレコード盤をひっくり返す。
再び針が落ち、「ブツッ」というノイズに続いて風の音を思わせるホワイトノイズ。
さあ、B面が始まる!
CDになりこのワクワク感がなくなってしまったことは否めない。
この風の音は、エアコンの噴き出す音を加工したものだそうな。
そして、6弦をDに落としたアコースティックギターとブライアンが来日公演の際に購入したおもちゃの琴。
スティーブ・ハウを思わせるギタープレイ。
(スティーブがQueenの曲でギターをプレイすることになるのはこれよりも15年以上も先のこと。。。)
琴とアコギの絡みが絶妙である。(下図参照 6弦=D)
画像

未来のことなのか、それとも過去?いやいや現代?
ブライアンお得意の時代が掴めない世界が繰り広げられてゆく。
0'36''〜
Oh oh people of the earth
(さあさあ、地球人たちよ)
Listen to the warning the seer he said
(預言者の警告に耳を傾けよ)
Beware the storm that gathers here
(ここで巻き起こる嵐に気をつけよ)
Listen to the wise man
(賢者の言葉に耳を傾けるんだ!)

0'51''からオンビート。
リズム隊はあくまでもシンプルな4分音符でリスナーをグイグイ引き込む。
ボーカルラインとライトチャンネルのギターからのミュートした裏メロとの対比(0'58''〜)が印象的である。
(下図参照)
画像

1'20''〜
'I see no day' I heard him say
(「我々に未来はない。」と彼の声が響く)
So grey is the face of every mortal
(人々はみな顔色を失くしてしまった。)

このサビへのブリッジとなる上昇フレーズでは、演奏をひたすらシンプルに抑えハイトーンのメロディにスポットが当たる、言わばボーカルの見せ場となる。
しかしそれがクセモノなのだが、その件はまた後半で・・・。

そしてサビへ。
1'27''〜
フレディだけのコーラス→フレディソロ→フレディだけのコーラス
全員のコーラス→フレディソロ→全員コーラス
以上のように複雑な構成にすることで絶望への叙事詩をドラマチックに彩っている。

さらに、2コーラス目のサビからはコーラスの掛け合いがさらに複雑化し、転調して全く違うパターンへと導かれていゆく。
コーラスアレンジの複雑さと言えば、オペラティックな"Bohemian Rhapsody"が取り上げられることが多いが、この曲も負けてはいない。
それぞれの曲が制作された時期がどうであったのかは分からないが、この曲からは"Bohemian Rhapsody"への対抗意識が強く感じられる。

そして、まさに呪文のようなブライアンお得意のディレイによる輪唱パート。(3'22''〜)
「A Night at the Opera」のメイキングDVDの中で、プロデューサーのロイ・トーマスベイカーが2台のテープディレイを連結させて作ったと解説している。
このパートをハイライトととらえるかそれとも・・・、それは各人が判断すべきこと。
正直、中学生の頃にはかなりきついと感じたが、今となっては、このパートがあるがゆえにこの曲がロックソングとしてひときわ異彩を放っていると思える。

前半はフレディによる一人三重唱。(3'22''〜4'47'')
センター→レフト→ライトの順で音が移動してゆく。
効果の程は、前アルバムの"Now I'm Here"で実証済み。
しかし、今回は大胆にもアカペラへの応用となる。
Ah, people can you hear me?
(ああ、民よわが声が聞こえるか?)
And now I kow.....
(私は知っている。。。)

導入はソフトに、2行目からは一転シャープに。
まさにフレディワールドが展開されてゆく。
レコーディングの際には、おそらくセンターに定位するメインのパートのみが録音されたと思われる。
そのため、レフト・ライトの追っかけフレーズを追加してみて初めて予想もしなかったことが浮上してくることがある。
"Death all around around around around"というフレーズから次の"Now I know"に入る直前(4'15'')で、一瞬"Umm"と息をついてしまったのだ。
レコーディング時点ではさほど気にならなかったとは思うが、その声までリピートになってしまい予想外に強調されてしまうことになった。
結果的に、さらに「呪術的」な空気を盛り上げることになりOKテイクとなったのであろうが、本来は明らかなミスである。
後半は、フレディ、ブライアン、ロジャーの3人によるコーラスパートへ。(4'48''〜)
パターンもレフトチャンネルとライトチャンネルとのシンプルな掛け合いとへ変わる。
レフトからスタートするが、5'29''からはライトとレフトの順序が入れ替わる。
彼らは様々なパターンのコーラス録りを実践しているが、ここのパートのように3人が一斉に録ったもの("ドミソ"のハーモニーを作るなら、まずは3人で"ド"、次に3人で"ミ"、そして3人で"ソ"と、3人の声をミックスさせながらハーモニーをダビングしてゆく手法)が最もQueenらしいと言えるだろう。

そしてギターソロパートへ。(4'49''〜)
エンディングにかけて、様々なスタジオテクニックが駆使されている。
このパートのド頭でレフト→ライトと音が飛ぶのは、アカペラ同様ディレイを用いたトリック。
また、"グィーン"という上昇音(6'31'')は、テープの回転速度によるトリック。
このような工夫が最高の緊張感を演出している。

再びブリッジからサビの繰り返してエンディングへ。
7'19''から聴かれるブライアンらしからぬエレクトリック・ギターのアルペジオもスティーブ・ハウを想起させる。
(下図参照↓)
画像

そして、冒頭のイメージを思い起こさせるアコースティックパート。
ここがイメージを大きく変えずに次の曲へと移行してゆく非常によく計算されたフレーズで構成されている。
(下図参照↓ 6弦=D)
画像

3小節目からが、この曲のキー"Dm"から次の曲の"C"へと移行してゆく。
こうしてシームレスで続いてゆく。

徹底的な手間と時間をかけ、様式美への原点回帰を狙ってブライアンのアイディアが具現化されたこのこの曲。
しかし、ブリッジパートやサビはあまりに音程が高すぎて、フレディがライブで歌いこなすことはできない。
それが原因となり、メンバーもオーディエンスもストレスを感じるパフォーマンスとなってしまった。
それが残念で仕方がない。

ま、いずれにせよ、ブライアンとフレディの両巨頭が全身全霊を傾けて取り組んだ大作が冒頭とエンディング飾るこの作品のB面。
やはり、特別な作品なのだ。

さあ、途切れることなくB面の2曲目へと続いてゆく。
フレディにとって、おそらく何物にも代えがたい作品のひとつ。
"Love of My Life"。


’76 Hydepark (short version)


Phil Naro The Prophet's Song
元TALAS(Billy Sheehanでお馴染み)のボーカリスト、Phil Naroによるパフォーマンス。
"Queenを効果的に再現するなら人海戦術で"の実践的成功例。
アカペラパートの"フル人間バージョン"や、アカペラパート後の"ナマタイミングずらし"等見どころいっぱい!

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